突然ですが、おススメの吸血鬼百合を紹介しても構いませんね?

突然ですが、おススメの吸血鬼百合を紹介しても構いませんね?

数年前から着実に人気を広げつつあるジャンル、人外百合。その一部でありながら、人外百合よりも先にトレンドを掴んでいた百合がある。それが、吸血鬼百合だ。

吸血鬼百合はおねロリの流行と同時期に連載が増え、太い供給と太い需要によって支えられてきた。今でも吸血鬼百合の連載作品があるのは、もちろんこのジャンルに魅力があるからだ。

今回は吸血鬼百合の魅力を秘めた作品(完結済み)を、4つおススメしていきたい。(以下、敬称略)

 

 

道割草物語 / 武川慎

道割草物語(上) (メテオCOMICS)

まず初めに紹介したいのが、武川慎先生の『道割草物語』。文明が崩壊した地球で生き残った吸血鬼たちの日常を描いた作品だ。

 

何といっても、滅亡した世界と百合というマッチングが素晴らしい。

天気がいいので花見に行こうと外に出かける話があるのだが、花見スポットには墜落した旅客機の巨大な残骸が佇んでいる。文明崩壊の凄まじさを感じさせる迫真の見開きなのだが、特にそれを気にすることなく、吸血鬼たちはイチャイチャと血を吸っている。細かい筆致で描かれる荒廃した街並みに美しい女の子がとても映える。

正直、吸血鬼が牧場を営んでスローライフしてるだけで100点なのだが、時折明らかになる彼女たちの凄惨な過去がうまく影のアクセントになっているところもいい。

 

スカーレット / 結野ちり

スカーレット: 1 (百合姫コミックス)

飲めば人間を怪物にしてしまう魔薬エリクサー。少女フィーネはエリクサーによって人を喰らう人外になり、すべてを失ってしまった。彼女は、幼い頃からの唯一の相棒である人狼アイリスと共に、この恐ろしい魔薬を世界から根絶するため戦い続ける。

 

吸血鬼百合の魅力の一つに、”人外でしか描けない絆”がある。決して人間に知られてはいけない秘密の関係。吸血、つまり生命活動ですら相手を求める強い依存。人間同士とは違う、フィクションでしか描けない繋がりが吸血鬼百合にはある。

スカーレットで描かれているのは正に”人外でしか描けない絆”である。人から外れてしまった圧倒的な孤独、しかしそれは人間ではとても入れない強い閉鎖関係を生み出す。お互いのために命を差し出せるほどの愛。自分の愛する人を守るためなら、本当に世界を敵にまわせるか。スカーレットにはその『覚悟』が描かれている。

 

 

望月血液研究所の娘 / あやね

望月血液研究所の娘 (永遠草紙)

R-18作品からも1つ紹介したい。あやね先生の『望月血液研究所の娘』だ。

主人公は、田舎の家族を支えるため山奥のお屋敷に働きにきた少女。しかし、屋敷での仕事はなんと吸血鬼に犯され血を吸われることだった!家族のためにどうしてもお金が欲しかった絹は吸血鬼に体を売る覚悟を決める。

 

金で少女を買う吸血鬼は強い生き物のように見える。だが、実は娘を無理やり犯して血を吸わなければ生きていけない自分にやりきれなさを抱えている上、血を吸った相手に惚れやすいが、吸われた娘は必ず逃げ出すか気が狂ってしまうというあまりにも報われない存在であることが明らかになっていく。

そこへ、お金を払えば吸血も恋人役でもなんでもしてくれる絹が現れて大喜び。そんな絹も初めはお金のためと割り切っていたが、次第に吸血鬼に心を寄せるようになる。しかし、吸血鬼と人間との恋は絶対に叶わぬ運命が待ち受けていて───。

お金のために吸血鬼に体を売るという割り切った関係と思いきや、人外と人間の切ない純愛が描かれていく。見事なストーリー展開に、読後は幸せな気分に包まれること間違いなしだ。

 

吸血鬼の食卓 / 吉田了

吸血鬼の食卓【ペーパー付】 (コミックジンガイ)

長寿の吸血鬼から見た人間の人生は儚く短い。ほんの短い間しか同じ時を歩めないとしても、その先に必ず一方的な死に別れが待ち受けているとしても、その全てを背負って添い遂げる覚悟を決めるのが人外百合だ。

しかし、残されてしまった吸血鬼はどんな思いでその後の人生を生きるのだろうか?という題材で描かれたのが吉田了先生の『吸血鬼の食卓』だ。

 

吸血鬼が人間を吸血用の餌とする世界。花絵は吸血鬼である月子の新たな餌として働くことになる。しかし、月子は先代の餌の人間と死に別れたショックで一切心を開こうとしなかった。

月子は前の人間、フミをとても大切にしていた。それは吸血鬼と餌の関係ではなく、互いに尊重し合ったパートナーのような関係だった。しかし、吸血鬼と人間では生きる時間があまりにも違う。人間にとっての一生は、吸血鬼にとっては”たったの”数十年でしかない。

こうして過程を描かれると、吸血鬼の永遠と人間の一瞬、二人がいかに違う世界に住んでいるのかが残酷なほどよくわかる。

このマンガはオムニバス形式の群像劇で、百合の他にも男女や男同士の組み合わせが登場する。どの吸血鬼も自分の餌の人間を大切に思っているが、人間はやがて死んでしまう。大切にすればするほど、残された側の辛さは大きくなる。吸血鬼はその後のはるか長い時間を何を思い生きていくのか。どの話も吸血鬼百合が好きな人なら刺さるはずだ。

 

 

 

どういう風に締めればいいのかわからないのでこれで終わりにします。みんなも吸血鬼百合楽しんでいこうな!!!!!!

 

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