ド嬢の百合シーンってエモさで思わずBGM止まらん?【バーナード嬢曰く。 5巻】

ド嬢の百合シーンってエモさで思わずBGM止まらん?【バーナード嬢曰く。 5巻】

バーナード嬢曰く。: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス)

実に1年9か月ぶりのド嬢の新刊が発売された。

百合だ百合だと騒がれてはいるが、一応この漫画の趣旨は”本好きが図書館に集まって語り合う”、である。勝手に期待している身としては、もし町田さわこと神林の話が少なかったとしても何も文句は言えないのだが、それは全くの杞憂だった。杞憂どころか百合マシマシである。余りにも都合がよすぎる。

 

 

この巻はのっけからすごいぞ。

ある日、町田さわこが図書室にVRゴーグルを持ってくる。薦められるままVRの世界を体験してみる神林。仮想世界で読書という近未来感に思わずはしゃぐ彼女に、町田さわこは唇を指でつまむといういたずらを仕掛ける。

突然のイタズラに悲鳴を上げる神林。なんと彼女は唇を噛まれたと勘違いしてしまったのだ。

突然の百合。ド嬢みたいに百合を押し出していない漫画で、急にキスみたいなことを匂わされるとかなりドキリとする。というか、これはもう実質キスだし、唇に触れられただけで町田さわこがキスしてきたと思っちゃう神林はキスされたい気持ちがあるし、見えていないのをいいことに唇をつまむいたずらを仕掛ける町田さわこは絶対寝てる神林にキスするタイプということがわかる。君たち・・・そういうタイプか・・・!

いきなり百合好きに都合の良すぎる展開すぎて、接待でも受けてるかのような気分である。

 

まだまだこれだけではない。

飲食禁止の図書館でこっそりのど飴をなめる二人。二人しか知らない小さな小さな秘密。ささやかでくすぐったい青春のワンシーン。感傷に浸りやすい神林なら、大人になってのど飴をなめたとき、ふと昔そばにいた明るい笑顔の女の子を思い出すに違いない。

 

 

雲の切れ間から射す光を見ながら、世界の終りの話をする神林にデジャブを感じる町田さわこ。

いや、映画のワンシーンか?さすがにエモーショナルが過ぎる。

 

 

いや映画か?

施川ユウキ先生は、BGMすら存在しない無音の百合を描くのがうますぎる。大げさなロマンティックはないし、それで何か二人の関係が変わるわけでもないけど、大人になったときふと思い出してしまうような学生時代のささやかな一コマ。一世一代の告白に負けるとも劣らない青春の一シーンがド嬢には詰まっている。

 

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