東京に来てからやってみたかったことがあって
百合好きのパワースポットである百合棚を見に行きたいなーと。
地方には百合棚がない。
いや、完全にないというと嘘になる。 それっぽいモドキはたまに目にすることがある。
百合姫やまんがタイムの単行本が固まっているところは何となく百合棚っぽい雰囲気はあるし、ありがたいことに百合の仕切りでエリアを作ってくれている書店もある。
しかし悲しいかな、まだ店側に詳しい知識がないのかその中には絶対に混ぜてはいけない男の娘ものが紛れ込んでいたりしてなかなか恐ろしい。 ああ~~~それ片方女装なんです~~~~。
まぁでも作ってくれただけでありがたいしあんまり細かいことをいうのは野暮・・・って違うだろ!!!
自分が見たいのはそんな形だけの棚じゃなくて、百合が好きで百合をわかっている人が作り上げた渾身の百合棚なんだよ!!!
ということで都内の百合棚を何か所か巡ってきたレポです。
ヴィレッジヴァンガード池袋マルイ店
池袋マルイといえば2017年百合展が行われた会場として記憶に新しいのではないだろうか。 そんな聖地ともなれば当然ある・・・百合棚・・・!
百合を集めただけのコーナーと百合棚の違いは何といってもこの漫画を面で並べる魅せ方ではないだろうか。
初心者が書店で自分好みの百合漫画を探すことは難しい。
漫画の背表紙から読み取れる情報はせいぜいタイトルと著者名くらいしかないからだ。 この情報を頼りに本棚に刺さった無数の漫画から自分と波長が合うものを探すのは骨が折れる。
しかし、こうやって表紙が見えるように並べてみるとどうだろうか。 漫画の個性がよりわかりやすく立ち上がってくるのではないだろうか。
そうするとここにジャケ買いという新たな選択肢が生まれてくる。
表紙でビビッときたものを買うことは間違いではない。
絵柄の好みというのは漫画にハマっていく上で大事な要素となる。 絵が好みというだけで漫画を追いかけるには十分すぎる理由となる。
それに百合漫画を読むということはカプを見守るということでもあるので、表紙を見て気に入ったカプがいればその漫画自体も気に入る可能性は高い。
ここで表紙を向けて展示されている作品は百合棚を作った人のおすすめ、いわばプロのお墨付きなのでどれを選んでも間違いはないはず。 フィーリングで手に取るのも大いにアリだ。
ラインナップとしては『citrus』や『あのキス』のような長編が多いのもこの百合棚の特徴だ。
初心者にも優しくレイアウトして入口を広くしたうえでしっかり沼に叩き込んでやるという作り手の強い意志を感じる。
いきなり長編には手が出しにくいという人のために比較的巻数の短い漫画やアンソロなどもちゃんと用意してあり抜かりはない。
特に最近出たばっかりのレズ風俗アンソロがかなり目立つ位置に並べられており、トレンドもばっちり追える。 これ初めて見た人からしたらタイトルが気になりすぎて絶対買っちゃうでしょこんなの。
あと伊藤ハチ先生の既刊にかなり強いのはお店の意向なのでしょうか。
ヴィレッジヴァンガード池袋サンシャインシティアルタ店
相変わらずの写真撮るの下手くそか。
池袋マルイ店と比べると巻数が短い漫画が多く種類が豊富なのが特徴だろう。
さらに言えば漫画の範囲がかなり広い。
ストレートに百合を押し出した作品とは違って、レトルトパウチやローゼンメイデンといった百合要素を含んだ作品がちらほら見られる。
これは百合の外の世界に百合を見出しに行くくらい百合に詳しい人でないと作れないため、いかに作り手が百合に精通しているかを窺うことができる。
実際、初めて目にする作品がたくさんあって自分もまだまだだなと思った次第。
百合初心者はもちろん、「おすすめの百合漫画教えろください」みたいなスレで挙げられる漫画は大体持ってるよという人もここでディグれば掘り出し物の百合に出会えるに違いない。
ちなみに調べてみたのだが、池袋マルイ店も池袋サンシャインシティアルタ店の百合棚も同じ方が作られたそうで、その方は店舗を移転していくその先々で百合棚を作っているのだそう。 正に百合棚のレジェンドといっても過言ではない。
書泉ブックタワー秋葉原
最後に訪れたのは秋葉原の書泉ブックタワー。
百合棚がある8Fへとつながるエスカレーター。 百合作品のポスターがズラリと並び、期待も自然と高まる。
これが書泉ブックタワーの百合棚だっっっ!!!!!!!!!!
手前から奥まで全部百合。 棚を埋め尽くす百合。百合。百合。 圧巻。
一般漫画だけでなく成人漫画、小説、さらには一般書店では流通しにくい自主制作百合コミック誌『ガレット』の単行本や同人誌も完備。 正に痒いところに手が届く品揃え。
今や休刊となってしまった『ひらり、』もずらりと並んでいる。
個人的には小説が纏められているのはかなりありがたいと感じた。
百合漫画を出すレーベルって割と決まっているので作品も棚の中のあるエリアで固まっていることが多いんだけど、百合小説に関して言えば量が少なすぎて本屋の中で散り散りになっているから何の目途もなく百合小説に出会うのはまず無理。
なのでこうやって百合小説をピックアップして纏めて置いてくれると死ぬほどわかりやすくて助かる。
購買意欲をそそる手書きポップ。
「太田胃散をコーヒーで流し込む大人ガールズラブ」の破壊力。
っていうかこれ全部大人百合だわ!!!! ポップといい傾向マップといい大人百合に強すぎる。
大人百合専属コンサルタント付きの百合棚って何?
書泉タワー秋葉原は今まで出会った百合棚の中で間違いなく最大の規模。
百合好きとして秋葉原を訪れたなら一度は目にしておきたいスポットだ。 新たな百合に出会えるに違いない。
というわけで百合棚巡りのレポでした。
こうして百合棚を実際に見てみて、作り手の色が如実に表れるなぁと思った。
単に百合作品の新刊既刊を一か所に寄せ集めたコーナーとは違って、どれを平積みにしてどれを面で飾るかという作り手の意志が求められるので百合に詳しくないといけないのは当然。
だけどそれだけじゃなくて「私はこの作品に百合を感じるので置いておきます!!」という作り方もできるので作り手の百合の志向がそのまま反映されて面白い。
もし自分が百合棚を作るとしたら・・・という妄想するのも楽しいと思う。
百合棚はここだけじゃなくまだまだいろんなところにあるっぽいので、いずれまた行く機会があればめぐってみたいなぁと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらぽちっとお願いします!