もしかしたら百合じゃないかも、という理由でなかなか読めずに置いてしまったんだけど、いざ読んでみたらそんな心配粉々に吹き飛ばされるくらいのヤバい百合だったので書く。
Be-con先生の『お姉さまと巨人 お嬢さまが異世界転生』
百合界隈でこの漫画が話題になっていないのが不思議で仕方がない。私は思わず「なんじゃこりゃ!」と叫んでしまった。
とりあえずキャラの紹介をすることがこの作品の魅力をうまく語る方法である気がする。
ヒナコ
主人公。お姉様。隻腕。隻腕のお姉様。現実世界から異世界転生してきて巨人の子と義理の姉妹関係を結んだ。
超お上品、品行方正。謝るときはスカートの裾を持ち上げてふぁさ……ってさせるくらいのお淑やかさ。
立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花の体現。女子校が舞台なら全校生徒の憧れになってた。
でも覚悟が決まりすぎててやばい。侮辱されたら速攻でナイフを向ける。人に躊躇なく斧を振り下ろせるお姉様。
二重人格というよりは”お姉さまとしての芯の強さ”と”邪魔するもの全てを排除する殺意”が根っこの部分で繋がっている感じ。
妹を侮辱する奴は殺す(本当に殺す)。でも過去に現実世界で義姉を殺している。もうわからん。このキャラの設定だけでもう情報に追いつけない。
エイリス
巨人族の女の子。異世界転生してきたヒナコの義理の妹になった。
超強い。可愛いけど超強い。この体躯で「お姉さまぁ〜」とか言う。可愛がりがいのある義理の妹。大きいけど。
でもキレると広島弁みたいな口調になる。超怖い。「お姉さまに近づくやつは一人残らずぶち殺したりますけぇ…!!」とか言ってほんとに全員ぶち殺す。姉を侮辱したやつはミンチになる(本当にミンチになる)。姉妹揃って百合ヤクザ。
異世界転生してきたヒナコが巨人の子エイリスと姉妹関係を結ぶという感じのストーリー。
ヒナコは自分が殺してしまったかつての姉(異世界転生してきている)を探し、エイリスは自分の家族を一緒に探すのが目的なんだけど、何がすごいってこの主張の強すぎる要素たちを全部まとめ上げる漫画力の高さ。
鮮血溢れるダークな戦闘シーンを支える画力の高さ、クセの強すぎる材料を空中分解させない脚本、ただでさえ濃い世界観をさらに濃くする台詞回しの数々。もう一回言うけどこの取り合わせは前代未聞で、ラーメンのトッピング全部盛りとは訳が違う。
これだけぶち込んだ要素が全部面白さに昇華されてるのってすごい。奇跡じゃなくてBe-con先生の技量。後にも先にもこんな百合は出てこないと思う。
まぁ百合好きとしては、結局百合なん?ってところが気になってしょうがないと思うけどそこはまぁ大丈夫です。義理姉妹でセックスしてるくらいなので。ね?