百合修羅場でビールを開けているみなさん、いかがお過ごしでしょうか。今から良質な修羅場が期待できそうな百合を紹介するので今すぐにコンビニへ行ってプレミアムモルツを買ってきてください。
つみきつき先生の『今日の授業は恋愛です！』を紹介します。
全国の高校に恋愛科が存在する世界線。普通科に入学する予定だった主人公右京さがりは手違いで恋愛科に通うことになってしまう。
恋愛科で彼女を待ち受けていたのはヤンデレ、ツンデレ、ロリ、不思議ちゃんの４人組。
恋愛が嫌いなさがりは普通科に戻るために彼女たちの協力を得て猛勉強に励む。そして復帰の条件であるテストで満点を取った彼女は、無事に普通科へ戻ることが許されるのだった。
さがりが恋愛科を離れようとしたその時、彼女は４人組への陰口を耳にしてしまう。この学校では生徒同士でのペア制度（カップル）が存在し、生徒たちはペアとの学園生活を謳歌しているが、さがりに協力してくれた彼女たちは恋愛科でも一番の落ちこぼれで唯一カップルがいないため、余り物と呼ばれていたのだ。
自分のために快く力を貸してくれた彼女らをこのまま置いていけるものか。義憤に燃えたさがりは普通科への復帰を撤回し、そして４人全員をカップルにすることを宣言。馬鹿にした奴らを見返すために学校で一番のカップルになることを目指す。
という感じの話。
ヒロインたちから選択を迫られる展開はラブコメの王道だけれども、「全員まとめて面倒みたる！」と啖呵が切れる主人公はなかなかいないのではないだろうか。
複数ヒロインラブコメの主人公は草食系で優柔不断と言われ続けれて久しいが、彼女には「よく吼えた！」と言いたくなるような度胸がある。さがりさんと呼びたくなるような器があるのだ。
一夫多妻なハーレムラブコメというここまでの展開でも既に面白いのだが、私が楽しみにしているのはこれからの展開である。
四人組にとってみれば、余り物をなんとか抜け出せた上に、さがりという新たな友達もできて、なんか全てうまくいってラッキー！と、輝き出した日常に胸を膨らませている最中かもしれない。しかし私から言わせてもらうと彼女たちは今まさに修羅場行きの特急に乗りこんだ、そんな状態である。
何故なら彼女たちはそのうち、もれなく、全員がさがりを好きになるからだ。
理由は顔がいいから。顔が良くて性格が良くて呼吸をするように女を口説く。全くの無自覚で女を口説く。それが右京さがりという女だからだ。
当然そんな生き物と四六時中共に過ごして無事でいられるわけがない。
彼女とカップルになるということは体一つで台風の中へ飛び出していくようなものである。いかなる抵抗も意味をなさない。お遊びでペアなどと言っていたつもりが、いつの間にか本気になることなど当然分かりきっていた結果だ。実際１巻の時点で既に２人が撃墜されている。
↑すぐこういうことを言う。
中等部から一緒だった仲良し四人組の関係はこれから徐々に変化が訪れるだろう。
５人組の仲良しカップルとしてこのまま楽しく過ごすか、それとも一歩抜け出してさがりと恋人の関係になるか、全員が選択を迫られる。
唯一の居場所だった友人たちが恋敵へ変わる瞬間が来る。自分の気持ちを自覚した彼女たちの目にかけがえのない友人はどう写るのか。
しかも！！なんと！！さがりは女にふられた過去があり、今もなお彼女のことを引きずっているのだ！！！
そんな面白ネタを神が放っておくはずもなく、４人の彼女を手に入れたさがりさんは無残にも運命の再会を果たしてしまう！しかも学内で！最悪（最高）ですね！修羅場の一歩手前はどうしてこうも人をワクワクさせるのか…。こんなの面白くならんわけがないでしょう。
