ティーガーⅡのプラモを作りながら逸見エリカのことを考える

ティーガーⅡのプラモを作りながら逸見エリカのことを考える

アホのようにガルパンを見まくって登場する戦車の名前が言えるようになった私が、「じゃあ戦車のプラモでも作ってみようかな」と思うのはもはや時間の問題だった。

逸見エリカのティーガーⅡ。一番のお気に入りだ。なにせかっこいい。プラウダのKV2やIS-2はもう見るからに凶悪そうで、性能を見た目でわからせる気満々だが、このティーガーⅡは砲塔はスタイリッシュだし全体的にスリムにまとまっていて優しいイケメンのような見た目でありながら、実は第二次世界大戦最強の戦車とも言われているほど恐ろしく強いのである。そう言われてみると装甲は飛んでくる弾を片っ端から跳ね返しそうだし、砲塔はどんな装甲もぶち抜きそうな気がしてくる。いいね。

 

↑本編で見たことがないような穏やかな表情の逸見エリカ。こういう顔でも笑えるんだ。

このティーガーⅡは劇場版仕様となっている。劇場版仕様ってなんだよという話だが、実は劇場版に登場したまほ達の戦車は黒森峰の所有物ではなく、この戦いのためにしほが用意してくれた西住家の私物なのである。黒森峰は規律が厳しく、私用で戦車を持ち出すことができなかったのかもしれない。

実際本編仕様と劇場版仕様で何が違うのかはわからない。プラモも本編仕様と劇場版仕様でパッケージを変えただけかもしれない。さらに言うなら、ガルパンのパッケージに入れただけで、中身は普通のティーガーⅡなのかもしれない。しかし、このティーガーⅡが劇場版仕様であることは私がわかっていれば十分だ。私は、みほのために駆け付けてきたあのティーガーⅡが欲しかったのだ。

 

 

↑恐ろしいパーツ数。プラモは全くの初心者。がんばるぞ。

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↑始めて30分の成果。全然進まん。アホか。爪切りでパーツ外してる場合じゃねぇと気づき急いでニッパーを買いに行く。

 

逸見エリカというキャラクターは本当に不思議な魅力を持っている。

初めてガルパンを履修したとして、一番気になったキャラクターは?と聞かれて「逸見エリカ!」と即答できる人はなかなかいないと思う。「逸見・・・?あぁあの嫌味な副隊長か・・・」まぁそんなところでしょう。本編では最後の方まで嫌味な上に、特にスポットが当たることもないからイメージ挽回の機会もなく、悪い印象が残る気持ちもわかる。しかし、何故そんなにみほに当たらなくてはならなかったのか、何故盲目的にまほを崇拝するのか、そういったことを考え始めたとき、逸見エリカというキャラクターは恐るべき奥行きを見せる。他のキャラクターが秀逸なキャラデザや性格、活躍で輝くのに対し、彼女は人間臭さという点で凄まじく人を惹きつけてしまうのだ。

私の一番推しの高校は聖グロで、推しの隊長はダージリンで、推しのチームはレオポンで、推しのカプは西ダジとまほチョビその他多数だが、本編を見ていて一番注目してしまうのは逸見エリカだ。彼女は画面に表れた瞬間、ものすごい引力をもって私の視線を吸い込むのである。もはや登場しなくてもそろそろ登場するという理由だけでなんだか嬉しくなってくる。

 

 

↑反復作業。パーツが固定されていないため、間違って手が当たるとバラバラに飛び散る。接着剤でくっつけてしまってよいのだろうか・・・。ちなみに接着剤は持っていない。

 

逸見エリカには安心感がある。

二次創作にどっぷりと浸かった後本編を視聴すると夢から醒めたような感覚になることはよくある話だ。西さんからの手紙の返事に悩むダージリンはどこ?まほとチョビは同棲してるんじゃ?しかし逸見エリカは違う。二次創作を見ても本編を見てもいつだってそこにいるのは西住姉妹に磨り潰されながら悩み苦しむ逸見エリカだ。

 

 

↑パーツをここにハメてくださいという指示があるが、全くパーツが組み付かない。説明書の「ここには接着剤を使わないでください」の指示を見て、全て接着するのが前提だということに気が付く。接着剤買いに行くか・・・。

 

 

 

逸見エリカの好きな場面を3つあげよう。(英字幕が付いているのは別に違法視聴しているわけではなく、持っているDVDが北米仕様だからである)

一つ目は、黒森峰戦でティーガーⅡの履帯が外れ、地団太を踏むシーン。

彼女のコミカルなシーンは貴重である。全編を通して毒づいているシーンしかないため、これ以上ヘイトを貯めないようバランス調整が入ったのかもしれない。「初見の人がここでクスッと笑ってくれるといいな」と思いながらいつも見ている。何様だよ。

 

 

二つ目は、いつものようにみほをバカにしたらお姉ちゃんが割り込んできてシュンとするシーン。

本編で大洗が見事優勝したことで、逸見エリカがみほを「弱小」だの「未熟」だのバカにする理由はなくなったはずなのだが、劇場版では相変わらず彼女にかみつきまくっている。彼女は皮肉を言うことでしかみほとの繋がりを保てないのだ。好きな子に意地悪をしてしまう男の子みたいで大変いじらしいと思う。

みほが何か言う→逸見エリカがかみつく→まほが諫める→エリカがシュンとするという流れがパターン化しているのだが、このときの逸見エリカのシュンとした様子は群を抜いている。自分に対し滅多に肯定してくれないまほが妹を全肯定する様子をむざむざと見せつけられたのがかなり効いたと見える。

 

 

三つ目は、対黒森峰の終盤、まほを助けに向かうシーン。

このときの逸見エリカは全身忠誠心の塊である。彼女はまほの元へ駆けつけることしか考えていない。しかし、みほと対峙しているまほは逸見エリカのことなど頭にない。彼女はみほとまほのどちらの瞳にも映っていない。彼女の忠誠心の純度に驚いて、そして報われなさに少し悲しくなるシーンだ。

試合後、逸見エリカは全てが解決したような顔をしていたが、「もしあのとき隊長が私を待っていてくれたら…」そうは思わなかったのだろうか。逸見エリカはあの試合の帰り道に何を考えていたんだろう。

 

 

↑地道な作業が積み重なり、形になってきた。

 

vs大学選抜の終盤、逸見エリカはカチューシャ達と共にバミューダトライアングルを追撃し、ルミ車を撃破することに成功した。あれは美しい瞬間だった。刺し違えてでもみほの元へ行かせまいとする決死の思いが見事実を結び、副隊長の一角を崩すという大戦果を挙げた。急造チームのチームワークをバカにしながらもそれをやってのけた。

このプラモに入っていたオマケ漫画で逸見エリカは「副隊長車やっつけたくらいじゃ全然うれしくないわね!!」とコメントしていたが、あのバミューダトライアングルはナオミですら歯が立たない化け物だった。もし彼女たちが全員愛里寿の元へ向かっていたとしたら、さすがの西住姉妹でもどうなっていたかわからない。あれは本当に見事な仕事だった。

 

 

↑なんかそれっぽい・・!ごま塩のように小さい部品を貼っていけとの指示がたくさん出ているが、私には無理なので省略していく。まぁ劇場版の逸見エリカなら許してくれるでしょう。

 

↑生首となった逸見エリカが高圧的な態度でプラモのアドバイスをくれる。じわじわくる。

 

ティーガーⅡは本当に強い。実際、大学選抜は2000m先からパーシングをぶち抜いてくるこのティーガーⅡを非常に警戒しており、真っ先に潰す予定でいた。さらに、大洗連合を震え上がらせたT-28重戦車もティーガーⅡの正面装甲だけは抜けないらしく、正に最強の名に恥じない戦車である。
そんなに強いならまほが乗れば良かったのではとも思うが、ティーガーⅡは足回りの故障が多いらしく、隊長機としてのリスクを考えた結果ティーガーⅠを選んだのだろう(ティーガーⅠも足回りは弱いらしいが)

 

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というわけで完成した。本当は全然完成してないのだが完成したことにした。細かいところを省きまくったり、パーツを切り取った後にやすりをかけなかったりで雑さが目立ちますがが良しとします。このティーガーⅡではルミ車を倒せないでしょう。

 

小学生ぶりにプラモデルを作る私にとって戦車はかなりレベルが高かったが、どうしてもティーガーⅡが作りたかったので満足。プラモデルを作ると無心になれるというが、むしろ細かい作業が雑念を払ってくれることで考え事が捗った。みなさんも逸見エリカのことを考えたくなったらティーガーⅡのプラモをぜひ。

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