ガルパンって結局は壮大なエリみほだよねという話

ガルパンって結局は壮大なエリみほだよねという話

ガルパン二章を見に行ってきた感想やら初めての極上爆音上映のレポっぽい何か。

 

 

何故こんな時期に?という感じだが、いつもの友人もまだ見ていなかったためせっかくだから一緒に行こうとタイミングを合わせていたらこんな時期になってしまった。

帰りの車内はひたすらガルパンの話で盛り上がった。 映画館までわざわざ車で2時間かけた甲斐があったと言うものだ。

 

 

まず私たちは”マリー様が良かった”と意見が一致した。

高慢でのんびり屋、恐らくコネを用いて学内の政治的争いを勝ち抜き隊長の座を手に入れたお嬢様。 これが一章を見終わった後のマリー様の評価だった。

しかし、押田と安藤の衝突に割って入るシーンからは評価が一変。 ピンチにも動じず冷静に隊を動かすそのカリスマにしてやられてしまった。

砲の下から出てきたときの倒立の美しさたるや!如何なる状況でも優雅さを忘れないあの品格はどうだ?試合後の食事会のマリー様も大変可愛らしかった!

なるほど、隊長の器だ。 評価を改めざるを得なかった。

とにかく“”二章のマリー様はいい””これは疑う余地の無い絶対的な共通認識であった。

 

次に大洗の戦い方がエグすぎるという話になった。

大洗の戦術により戦車4両を失ったBCはボカージュからの撤退を決定、チームの立て直しを図る。 しかし、既に大洗は鉄壁の包囲網を展開、BCの戦車を一台ずつ削り取っていく。 押田と安藤は自らを犠牲にしてマリー様を逃がそうと試みるがその想いも虚しく、最後に残ったマリー様も退路を断たれてしまう。 彼女が後ろを振り返るとあんこうチームとレオポンチームの砲身が無慈悲に向けられているのだった。

BCは撤退のシーンで歌を歌い出すのだが、仲間が撃破されていくにつれて人がどんどん減っていき歌が小さくなっていくのが悲しかった。 BC視点で場面が展開していくことも悲壮感に拍車をかけていた。 主人公のやっていい追い込み方ではない。

 

BCを攻めるために思いついた戦術が仲間割れというのもエグい。

まず作戦として相手チームの人間関係へ干渉するのもエグいし、それを思いついた時のあんこうチームのリアクションも怖かった。

BCは元々仲が悪い。カモさんチームの戦車はBCの戦車に似ている。 この二つの要素から作戦の内容を瞬時に理解したあんこうチームは無言で作戦へと移る。

いやそれだけで全員が「よし、じゃあ擬態したカモさんチームに仲間割れを起こさせて内部から崩壊させよう」ってなるか?? そんな恐ろしい発想をノータイムで思いつくか普通??

桃ちゃんは意図がよくわからず「え?」というリアクションだったがむしろ性格の良さが伺えるというものだ。

 

あんこうチームには漆黒の意思がある。

廃校という重圧を二度も背負いながら戦い続けた経験が勝ちへの執念として全員に宿っている。

鋼の意思なんてものではない。勝つためにできることは何でもするという漆黒の意思だ。 仲間割れを起こして潰すという発想が瞬時に出てきたのもひとえに常に勝つことを考え続けていたからだ。

試合前、「よもや勝てるとは思っていない」と語った西隊長との問答からもその意思を感じることができる。 大洗にとって負けが許される試合など今まで一度もなかった。

あんこうチームのそういうストイックさが好きだ。

 

 

第2回戦の相手は知波単学園。 知波単学園の戦術と言えば突撃しかないため対策も容易かと思われたが、名将福田の助言により新たにその場での砲撃と一時退却を習得。 ゲリラ戦術を用いて大洗を苦しめた。

予想外の苦戦を強いられた大洗学園。 恐らくみほは様々なシチュエーションでの突喊に対するカウンタータイプの戦略を練っていたのではないか? それらが使えなくなった上、相手がゲリラ戦術故に迂闊に攻めに出ることも出来ず拮抗してしまったのだろう。

とはいえ中距離戦は基本中の基本だしゲリラ戦術もそこまで奇抜な戦い方でもないだろう。 西住流、黒森峰、大洗と経験を積んできたみほに通じるとは思えない。 大洗が第三章でどんなエグい戦略を繰り出すのか楽しみだ。

 

 

トーナメントの進行だが、まさかあれだけ個性豊かな新チームが投入されて、勝ち残ったチームがいつもお馴染みの顔ぶれになるとは思わず笑ってしまった。 大洗連合同窓会じゃないんだから。

前回の全国大会と異なっているのは大洗の立ち位置だ。

かつて彼女らは一発逆転に賭けるしかない格下の存在だった。 しかし、全国大会での優勝や大学選抜チームへの勝利を経て紛うことなき王者となった。 今や聖グロを除いた全ての参加校から挑戦される立場にある。

決勝まで勝ち上がってくるのは黒森峰一択だろう。これは間違いない。

隊長は逸見エリカ。 西住まほの跡を受け継ぎ、素晴らしい戦果を残しているようだが彼女に近づくことを目標としていては大洗には勝てない。 西住まほの戦車道は西住みほに敗北している。

大洗に勝つためには逸見エリカの戦車道が必要だ。

 

となってくると結局のところ最終章は逸見エリカの成長がメインになるんじゃないか? 西住みほの戦車道は既に完成している感があるしな。

本編では西住みほが自分の戦車道を見つけるまでのストーリーが描かれた。 最終章は西住まほという唯一の心の拠り所を失った逸見エリカが新たな黒森峰を作り上げるストーリーとなるだろう。 そして二つの戦車道は決勝戦で交差する。

ガールズ&パンツァーとは結局のところ壮大なエリみほなのである。

大洗廃校の危機も大学選抜との激戦も、桃ちゃん浪人のピンチもこの大きな流れの一部に過ぎない。

注目すべきポイントは逸見エリカは自分の戦車道を見つけるに当たって西住みほという存在を意識せざるを得ないが、西住みほは戦車道を見つけるに当たって特に逸見エリカは意識していなかったということだ。 この残酷さこそがエリみほなのだと私は声を大にして言いたい。

 

 

 

ガルパンの熱が冷めやらなかった私はせっかく東京にいるので極上爆音上映とやらに行ってみることにした。

爆音上映とは要するに映画の音がデカくていいということである。それ以上でもそれ以下でもない。

そして私が見に行ったのはただの爆音上映ではなく極上爆音上映である。 爆音はわかるが極上・・・? 爆音に質があるのか・・・?

 

 

結論から言うと極上爆音、伊達ではなかった。

衝撃音の例えで「空を裂く」という言葉があるが、本当に砲撃が空気を切り裂いていた。 「パンッ」ではなく「パリッ」という音がしていた。

音が体に打ち付けていた。 圧が強すぎて風が来たこともあった。

 

だが全ての音がむやみやたらに大きいわけではなく、砲撃毎にも違いがあって「ここ!!」ってときに欲しい衝撃が来る。

この辺のお上品さが”極上”なのかもしれない。

そして見終わった後友人と「良かったね~」「良かった」とバカっぽい会話をした。 いい映画を見た後はIQが下がるので仕方ない。

 

とにかくこんなにいいものを知ってしまったら当然見たくなる。 劇場版を。

エキシビジョンのプラウダの登場シーンを。 大学選抜チームの統率の取れた一斉掃射を。 カール自走臼砲の砲撃を。

 

 

・・・チケット取れるかなぁ。

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