ガルパン最終章3話が面白すぎた話

ガルパン最終章3話が面白すぎた話

いや、めちゃめちゃ面白くなかった?今回。特に。

ネタバレがあります!!!!こんな感想でガルパンを知った気になるのはあまりにももったいないので未見の方は是非劇場へ足を運んでください

 

 

チハタン、敗るる!(わかってたけど)

2話にて、王者大洗を追い詰める見事な番狂わせを見せた知波単。

その後、大洗の反撃によって窮地に陥るも、西隊長による”撤退”という知波単にあるまじき判断によってその場をしのいだのであった。彼女の意志により新しく生まれ変わった知波単学園は勝利への執念を胸に、次の作戦へと移る。

というのがこれまでのあらすじ。

 

最終章の西隊長はマジで良かった。

知波単の勝利、ひいては後塵へ新たな希望を託すために覚悟を決めた西隊長のあの目を見たか!あの穏健派な彼女がだ!あれは実に美しい瞬間だった!

知波単の未来を切り開くということは、先輩方が残してきた伝統を捨てるということでもある。伝統が重視されるガルパンの世界でそれがどれだけ勇気のいる行動だったかは想像に固くない。

隊長とは一体何なのか。西隊長は自らの行動をもってそれを示してくれた。

どんな戦況でも素早い判断を下せるチームの司令塔、みんなの柱たる大きな度量を持った人格者、誰よりもストイックに戦車道を邁進してきた百戦錬磨の武人。確かにどれも隊長にふさわしい器ではあるが、隊長が隊長であるために一番必要なもの、それは”学校を背負う覚悟”ではないだろうか。

チームの今を見つめ、学校の未来を思い描き、行動で実現する。西隊長はあの時、勝ち負けよりももっと大きなものを背負ってあの場に立っていた。彼女は間違いなく隊長だった。これでもう知波単を色物と呼ぶ人はいないだろう。

 

知波単があんな感じ(失礼)なのって一言でいうと弱過ぎるからだと思う。

本来スポーツは勝たなきゃ意味がない。全ての勝負は勝つために行われる。でも実際チハタンは弱い。勝てない。戦車が弱いから。こうも勝てないと、負けた自分たちを正当化できる理由が必要になってくる。そこで使われるのが突撃だ。「試合には負けたけど突撃ができたから良し」という言い訳が成り立つようになる。彼女らの潔さには「まぁ弱いなりにがんばったししょうがないよね」という諦めもあるような気がしている。

しかし、そこへ弱小校の大洗が現れた。同じ立ち位置だったはずの彼女たちは自らの弱さを良しとせず、勝利へしがみついた。弱い戦車と練度不足の部員の寄せ集めだった彼女たちは勝てるはずのなかった試合を次々と勝ち抜き、頂きへと立ってみせた。チハタン学園の戦車道メンバーは激震が走ったに違いない。弱さは勝てないことの言い訳にはならないのだと。彼女たちにとって大洗は師であり、自分たちの可能性であり、越えなくてはいけない存在となった。その大洗を率いるあんこうチームを倒すことは勝利よりも意味のあるものだ。「打倒あんこう」で一つになっていた彼女たちの胸中を思うと私の胸も熱くなってくる。

余談だが、帰りの電車で一生懸命大洗への感謝の手紙を書くチハタン達、いい子過ぎてやばい。育ちが良さが出ちゃってるんだな。

 

逸見エリカの羽化

さて、もう一つ語ることがありますね。逸見エリカです。

vsプラウダ戦では判断を放棄する隊員たちと柔軟性のない作戦でチームが崩壊していく様子が描かれた。「うわ~~~~」と口から出そうになったが、これが今の黒森峰なんだよな。

砲弾を浴びる車内にて空を睨む逸見エリカ。あれはマジで良かった。やはり彼女は何かに迫られている時に一番美しい花を咲かせるなぁ。

そして生まれ変わった彼女が戦車を駆る姿のなんと美しいことか!西隊長が突撃を捨てたように、彼女もまた西住流を捨てるに至った。新たな黒森峰の産声がこだました瞬間だった。

 

本編を見たときもずっと思っていた。逸見エリカの物語は何も始まっていないと。結局西住姉妹の間には入り込めず、妹に敗れたまほの背中を今も追っている。決勝戦後、憑き物が落ちたかのような表情をしてはいたが彼女の物語は何も進んでいない。

本編(TVシリーズ)は西住みほが自分の戦車道を見つける物語だった。では最終章は誰の物語であるのか。当然逸見エリカしかいない。最終章とはつまり『ガールズアンドパンツァー逸見エリカ編』を大洗視点で見ている、そういう物語なのだ。

そして今、逸見エリカは自分の本当の戦車道とコネクトした。みほとまほの呪縛から放たれ、自らの道を歩み始めた。プラウダ撃破したときの「らしくない」ガッツポーズは、彼女が黒森峰で着込んでいた鎧を脱ぎ捨てた瞬間でもあった。恐らく5話あたりで聖グロという強敵を超えて、逸見エリカの羽化が終わるだろう。そして二人の戦車道が決勝戦で交わるのである。

ガールズアンドパンツァーとは、長き時間が紡ぐ壮大なエリみほなのである(これ何回でも言う)

二筋の物語は既に脈動を始めている。身を任せよう。そして信じよう。

 

あとはここ良かったシーンを何個か書いて終わりにします

・あんこう夜戦シフト
ほんとに何でもできるなこの人たち。マコが的確な指示を出していて驚いたが、普段から運転しているから操縦士が一番欲しい指示を出せるんだろうね。

・無重力ローズヒップ
ダージリンにはこの登場はできまい。

・試合前の挨拶でちゃんとお辞儀するミカ
隊長というポジションへの感度がかなり高まっていたので、ミカがちゃんと隊長しているだけでなんかグッときてしまった。彼女もまた隊長の器だ。

 

 

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