百合好きは『宝石の国』を読んだ方が良いかもしれない

百合好きは『宝石の国』を読んだ方が良いかもしれない

 

先に言っておきます、宝石の国が百合かどうかはなんとも言えないところです。 

宝石集合図

百合と言っている方もいますし、百合と言うと怒る方も見かけます。 結構ナイーブな問題なのかもしれません。

何故このような事態になるのかというと、主人公含め登場人物が全員宝石だからです。

そもそも性別がないため、百合という概念を成立させていいのかという問題が発生するのですね。

 

実際、自分の百合センサーも結構混乱しています。

しかし自分なりの見解としてはこう言いたい。

百合作品を読んでいるときと同じ感情の昂ぶりを感じることがあると。

以下紹介

 

それは遠い未来の話、宝石達は不死身の体を持つ生命体になった。

宝石集合図

そう! 先ほども言いましたがこの漫画の登場人物はみな宝石でできているのです。

ルビー、ダイヤといったお馴染みの宝石からアメシストといった身近な宝石、そして名前も聞いたようなマイナーな宝石まで種類は様々。

ちなみに主人公はフォスフォフィライトという宝石です。

フォスフォ・・・何? BLEACHに出てきそうな名前。

バンビエッタバスターバイン

 

 

高硬度のダイヤは体が強い、多層構造のゴーストは二重人格といった具合に宝石の特徴をそのまま受け継いでいて、早い話が宝石の擬人化というわけですね。

まぁ四字熟語が擬人化する時代に宝石の擬人化というのはそこまで目新しさはないかもしれません。

もちろん宝石なので性別という概念はありません。

見た目は女の子のようであり、男の子っぽくもありますがどっちかというと女の子成分の方が多い気がします。

一人称もバラバラで私、俺、僕などいろいろ、性別はないですが兄を自称する宝石もいたりしてこの辺も百合妄想的にややこしいところです。

他にも不死身なので全身が砕け散っても破片を集めれば再生する、長寿(最年少のフォスフォフィライトで300歳)などの特徴があります。

 

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宝石達が戦う相手は、月よりやってくる月人

仏像のような姿をしている彼らは宝石達をさらって自らの装飾品にしようと度々襲来します。

そもそも月人とは何者なのか、宝石たちを束ねている金剛先生の秘密とは。

一見月人対宝石の単純な構図に見えて、様々な伏線が絡み合い複雑に物語が展開します。

 

 

この漫画なー、賑やかで楽しそうに見えて結構えげつない展開ばかりなのよ。 新刊読むたびに「は?え?・・・え?」って心臓に悪い展開に口があんぐり。

宝石なので内臓等のグロ描写はありませんが、彼女らが戦いながら砕ける姿は時にグロ以上に心にクるものがあります。

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削ぎ落とされたシンプルな画風だから話の抜き身の残酷さがすごく際立つんだよね。

そんな話の中でも宝石達は鮮明に自分の生き様を貫いていて、それがなんとも美しくて泣けてくる。

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セリフも展開も心に刺さる刺さる。 ザックザクよ。

どの宝石も可愛い顔して考えが鋭いのでハッとさせられるセリフがとても多いです。

 

市川春子先生ほんとに言葉のセンスが凄い。

胸に刺さるセリフもそうだけど、普段のコミカルなシーンでもギャグが小洒落ている。

言葉遊びのセンスがよいので読んでいて気持ちが良い。

 

 

というわけで突然ですが独断で選んだ自分の好きな宝石の組み合わせを発表したいと思いまーす。(イェーイ)

 

フォスフォフィライトとシンシャ

主人公と正妻

孤独で生きる意味を見つけられないシンシャにフォスフォフィライトが仕事を見つけ、存在を必要としてあげるというのはこの作品の大きな話。

何もできないフォスフォフィライトに何か期待する方がおかしいと思うし、実際シンシャもそんなの信じられるかって態度なんだけど、大ツンデレなんだこの子は・・・!

期待なんてしてないって自分に言い聞かせてる時点で、めちゃくちゃ楽しみにしてるの伝わってくるし、何よりちょいちょい見せるテレ顔威力が高すぎる。

読者がシンシャを忘れた頃にしか会いに行かないせいで、出番が巻で1回か2回くらいしかないけど、そんな中でも孤独に一人静かにフォスフォフィライトに期待して待ってるのを想像すると泣けてくる。

不遇のヒロインだよね。

 

アメシスト

グッドルッキングな顔同士が近い! やったー(^o^)!

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宝石の中では珍しい双子の宝石です。

この2人はなんか絡み合ってるイメージ強いなーと思ったけど、よく考えたら宝石達ってお互いに触れない(違う硬度同士の宝石が直に触れあうと、硬度の低い方が砕けてしまう)からそもそもこういうボディタッチできないよね。

こんな濃い絡みができるのはこの2人だけ。 キスができるのもこの二人だけ!!

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戦う前のシンメトリカルな構えが、なんともファビュラスでなぁ。

しかも戦いながらも隙を見て手を繋いでるとかいう高度なイチャイチャを見せてくる。

戦いの最中にわざわざ片手を塞ぐメリットがあるとは思えないけど、この二人はもう手を繋ぐ意味とか超越したところにいるんだろうなぁ。

それがアメシストだからみたいな。

 

 

ルチルとパパラチア

ワーカホリックの医者として1巻から出番の多いルチル。

最初は医学一筋の堅物のようなイメージでしたが、その医術も全てパパラチアのためと聞いて、このワーカホリックな性格も全部パパラチアのためにそうなったのかなと思いました。

なんたって施術回数30万30回ですからね。

 

フォスフォフィライトからルビーを渡されたときに、めったに笑わないルチルがすごく嬉しそうな顔するのがかわいくてな。

ほんとにパパラチアのこと好きなんだなって。

パパラチアはパパラチアでルチルに楽をさせたいと願っているけども、それを伝えずに倒れていくシーンは一見矛盾しているようでとても深いルチルへの思いを感じた。

 

 

この宝石の国・・・10月からアニメ放送開始です!

あと少し! 3Dと知ったときはどうなるのか不安でしたが

・・・いい! いい!いい! すごくいいじゃん!!

想像以上に原作と3Dの間の違和感が無くて驚きでした。

宝石なので砕けたときの描写などは3Dの方があっているかもしれません。

あと思ったのが、全体的に明るいですね。 原作は暗いシーンはベタ塗りの黒を使っているのでほんとに真っ暗なんですよ。

風邪を引いたときに見る夢みたいな得体のしれない怖さがある。

まぁアニメでやる場面はまだそこまでシリアスじゃないのでこれくらいの明るさでいいのかもしれない。

フォスもまだ「僕フォスフォフィライト! おっちょこちょいな宝石さ!」って時代だしね。

今となっては懐かしすぎる

 

 

というわけで『宝石の国』でした!

最初でも言いましたが、百合作品と言い切るには設定的に難しいですが、関係性に萌えるという点では百合同様の楽しみ方ができると思います。

女性よりの中性なので、そこまでゴツいフィルターかけなくても簡単に百合妄想できますよ!

 

絵のクセが強く、戦闘シーンも動きがないのでちょっとわかりにくいところがあったりと人を選ぶ漫画ではあると思いますが、その分一度ハマってしまえば他の漫画では代用できないような中毒性、面白さを味わえると思います。

唯一無二の漫画すぎて逆に人に勧めにくい・・・w

気になった方は是非読んでみてください。

 

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