入間人間先生の『きっと彼女は神様なんかじゃない』読了しました・・・。
ハードSFだった。 ハード百合だった。
目覚めた神様が最近流行りの異世界転生みたいな感じで、女の子と万能スローライフを送る系かと思ってたら全然違ったw
神とのガールミーツガールとかwww神百合じゃんwwwってノリで読み始めた人は本編でグッってなると思います。
グッって。
以下ガッツリネタバレなので未読の方は注意
まずプロローグが重い時点で、ゆるふわスローライフを想像してた自分はお?お?ってなったよね。
旧石器時代と同じくらいの文明が舞台で、閉鎖的な集落で隣の部族とは血みどろの戦いを繰り広げているって設定もなかなかハードで、まぁゆるふわスローライフが映えるためのいわばタメみたいなものでしょって最初は思ってたw
そしたらメイを助けた後にまた同じ集落に戻ってきてて
あ~~この世界から逃げられないのか~~これ重いやつや~~って覚悟したw
神の岩に近づくときに大蛇の助力が不可欠って言ってたけど、大蛇は何であの時に神の岩に近づいていったのかな?
過去に一度でも焼かれてたらもう二度と近寄らないだろうし、あれだけ超巨大で長年生きてるであろう大蛇がちょうどヤシロが近づいた瞬間に生まれてはじめて神の岩に近づいたってことはあるまい。
この海に自分以上の存在はいないという自負→即レーザーで焼かれるのコンボはテンポよすぎてじわったw
2コマ漫画かよ。
しかもさっさと逃げればいいものを焼かれ続けながら神の岩を攻撃するタフさ。
一体何なんだよこの大蛇は・・・。
何でこいつこんなに気になっちまうんだよ・・・。
伏線かなんか持ってるのかと思ったらそうでもないし・・・。
装置に入っている女の子を壁をたたき割って救い出すのはSF百合っぽくていいですね。
風情のあるガールミーツガールの瞬間だと思います。
セカイ系の香りがするよね。
陸に上がってからは百合の時間。 ちょこちょこ見え隠れする世界の残酷さが気を引き締めさせてくるけど。
一応百合が本業なので・・・。
「いや・・・服を脱ぐかどうか、迷ってですね」
安達としまむらシリーズと少女妄想中くらいしか読んだことないけど、入間人間先生はなんかこう改めて恥ずかしいことをしようとするときに敬語になること多いよね? かわいいよね。
ヤシロは原始人なのでメイに対してあんまり直接的な恋慕しないんだけど、命の次に大切な槍の扱いで心情が変化してるのがわかって面白かったですね。
いつ外敵に襲われるかわからない時代で武器の有無ってそのまま命に直結するからね。
水浴びするために槍を置くとき死ぬ覚悟を決める程だったのが、メイに肩を抱かれて思わず落としちゃったり、住居に忘れてきちゃったりとある意味言葉よりもわかりやすくてかわいいです。
心がモヤモヤする→メイに抱きつく→「よし、治った」
の原始式イチャイチャコミュニケーションは思わずうひゃーってなっちゃいましたね! 原始人そうゆうことするかー。
この世界では好きという言葉よりも「わたしが、守ってやる」とか「一緒に生きよう」っていう言葉のほうがビシバシ刺さる。
最後の方では残酷な世界の仕組みが明かされました。
考察とか苦手なので難しい話だと途中で読む気無くすのですが、この話はわかりやすくてよかったですね。 ちゃんと説明してくれるし。
そもそもこの話、舞台が割と狭い気がするんだけど、陸地が一つしかなくて後は海みたいな惑星なのかな?
別の大陸の人とかが助けに来たりはしなかったのかな。
まぁそういうところあんまり考えちゃいけないのでしょうけど。
「さつき」
言葉と共に、メイは自然、涙をこぼしていた。
向けた先には、わたしたちをもっとも殺してきたもの、顔剝ぎの姿があった。
言葉が出ねぇ。
なんかもうこの辺から話がどんどん勝手に進んでいって無力感がすごかったですね・・・。
なんでこんなに残酷な方でうまく話が噛み合っちゃうんだろ。
や、やめてくれ~~!
数十年、数百年ぶりに出会った親友の首の切り方をクックパッドより詳しく解説するのはやめてくれ~~!!
この本最初にざーっとめくって挿絵ねーなとか思ったけど、無くて正解だったかもしれない。 特にサツキ達はイラストでガッツリ描かれるといろいろ辛いと思う。
いやー疲れた。 脳が疲れた。 最近えぐい百合読んでなかったから久しぶりに心持っていかれた。
しかし何でかわからないけど、読み終わった後人に話したくなるような魅力がありますね。
この前すごい本読んだんだよねーって感じで。 語りたくなる魔力がある。
でも次はもうちょっと甘いやつが欲しいので、具体的に言うと少女妄想中。の姪と叔母のやつの続きとか読みたいなーと思ったり。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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