趣味を愛している人、いいからもう何も言わず対ありを読め【対ありでした。 4巻】

趣味を愛している人、いいからもう何も言わず対ありを読め【対ありでした。 4巻】

江島絵里先生の『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』4巻。

対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~ 4 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ついこの間1巻が出たと思っていた対ありも気付けば4巻。対ありはアレですね。顔アップの表紙が景気が良くていいですね。

 

 

初戦を突破した綾と美緒。予選プールに上がってきた彼女らを待ち受けるのはプロ。綾の相手はgekido。美緒は禍腐餌悪霊。

対戦を前に綾は負けを確信する。gekidoは昔の彼女が夢中になる程、名の知られた伝説的プレイヤーだからだ。

しかし、綾は美緒の言葉で格ゲーへの根源的な衝動を思い出す。強い相手と戦える、試合にそれ以上の意味などないと。昔の自分だったらgekidoとの対戦を喜んでいただろうと。

 

対ありが投げかけてくれるメッセージ。それは「趣味、最高に楽しんでますか?」

趣味も歴が長くなってくると、時にいろんなものがこびりついて最初のときめきを忘れかけてしまう。

私にとっては、そう百合だ。最近界隈のお気持ち表明の方が多くなってないか?仕事を言い訳に読む量が減ってないか??

田舎のちっちゃい本屋で初めてゆるゆりを買った時のドキドキ、ページをめくるときのワクワク。今でも思い出せる。

百合、死ぬまで楽しんでやるからな。

 

 

↑今回禍腐餌悪霊めちゃかっこよかった。

美緒のことを最近のブームに乗っかったにわかプレイヤーとみなす禍腐餌悪霊。

無理もない。格ゲーが冷遇された冬の時代を耐えた彼にとって、格ゲーを馬鹿にしてきた世間の人間が許せるわけがない。沸々と怒りのボルテージが上がっていく。

しかし、彼は戦いに臨む前にコントローラーで自らの額を殴り、一瞬で冷静を取り戻す。

禍腐餌悪霊の高潔な精神。性格がいいとかスポーツマンシップとかそういう話じゃない。敵への油断は負けに繋がるというただそれだけの曇りなき理由。勝ち負けの世界に身を置くプロの嗅覚。彼が一流たる所以を見た。

 

今回モロの刃牙ネタ多くて嬉しい。

↑烈海王の代理としてこのセリフを言うためだけに出てきた謎の外人。お前は誰なんだ。

 

 

綾たちが殺意むき出しで殺し合いをしている中にも突如百合が挟まれるので、対ありは本当に油断ができない。

↑純度の高いロリ百合。殺意高めの百合ばかり見てるから、ピュアすぎてびびる。なんというか、ちゃんと目を見て大好きと言える人間がこの世界にいたことにビビる。

しかしこの子、作中でも上位に入るほど殺意が高い。

何が彼女を変えたのか。ふわふわロリ百合時代から今までに一体何があったのか。謎は深まるばかりだ。

 

 

↑どう見てもうまくいっていなさそうな姉妹百合。かつて渚カヲルは言いました。「親密な姉妹百合と険悪な姉妹百合は等価値なんだ、僕にとってはね。」

この漫画、過去を背負って戦う人が多い中で、綾と美緒の戦う理由が終始”楽しいから”を貫いているのが良い。過去の持ち込みは自由。戦う理由は人それぞれ。

というわけで、アニメ化も進行し(多分)、本編の勢いも止まることを知らない対ありでした。

何?今回は綾美緒が少ない?

否。やがて訪れる綾と美緒の対戦を二人の百合と見るのなら、そこに至る過程も百合なのである!

対ありでした!

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