「マックにいたJKが「〇〇〇〇〇〇〇」って言ってて店内拍手喝采だった」
少し前に流行っていたマックで女子高生が言ってたんだけど構文。ちょっと話題にしにくい政治や経済の話を女子高生に言わせることで、遠慮せず正論をぶつけられるのと、世間もこう思ってるんだぞ!という同調圧力を作れるTwitterの技。最近は見なくなったけど。
高校生を腹話術に使うなよと思うので私はこの構文全然好きじゃないんだけど(というか大嫌い)、フードコードで駄弁る女子高生はいいよなと思うのである。
フードコートには見えないところで陰口を言うアイツも、見た目だけで距離を置いてくるアイツも、喧嘩して仲直りし損ねたアイツもいない。スクールカーストから解放された、大らかでありのままの桃源郷がそこに広がっているのだ。
というわけで成家慎一郎先生の『フードコートでまた明日。』
表紙を見て、「うわっ、これ私絶対好きそ〜」と思い、買って読んでみてやっぱり好きだった。
放課後、とあるモールのフードコートで和田と山本がだらだらと喋る。本当にそれだけの漫画。舞台は全てフードコートで、学校のシーンはほとんど登場しない。
別々の高校に通っている二人は別にニコイチという存在ではないし、特に頻繁に連絡を取っているわけでもない。学校が終わった方から、いつものフードコートに行っていつもの席に座り飯を食う。するとそのうちもう一人が来て隣に座り、そのままだらだらと喋りながら飯を食う。
清楚な見た目で近寄りがたいとささやかれる和田。ギャルな見た目から「怖い」と敬遠される山本。学校では独りぼっちだけど、フードコートにはいつもの友達がいる。
話す内容はくだらなくて、でもそれがいい。くだらない会話ができるのは本当に仲がいい証でもあるからだ。
どうしておばあちゃんは麦茶に砂糖を入れてくるのか?満腹感とカロリーの高さって別に関係ないよな?クマに襲われたらどう対処するべきか?今日もフードコートで女子高生が世界の謎に挑戦する。ビバ、フードコート!
↑山本の彼氏だと思ってた男がバイト先の店長だとわかったときのこの顔最高。
↑ギャルが「~~やめな」って言ってんの最高。
フードコートが舞台の学生百合としても美味しいし、ギャル×おちゃらけの百合としても美味しかった。