先日2巻が発売されたばかりの『悪いが私は百合じゃない』、最高。
何といってもあのもちオーレ先生の作品なので、唯一無二すぎて例えが出てこないんだけどとにかく最高で絶対発売日に買うくらいには好き。ポップな見た目だと思うじゃん?めっちゃフェチがつめこまれてっから。ノブが読んだら「大クセじゃ!」って言う。
担任の先生に絶賛片思い中も、なかなか告白することができない藤堂いつみ。手っ取り早く自分のものにしようと、ネットで怪しい惚れ薬を購入したのはいいものの、ちょっと効果が疑わしいので適当にクラスの委員長に飲ませたところむちゃくちゃ効いてしまってさぁ大変。メロメロムラムラになった委員長にひん剥かれてあんなことやこんなことに。
↑いつも周りからチヤホヤされてムカつくあの委員長に私の心が動かされるわけがない!
その後もハプニングでヤンキー、王子様、友人と次々に惚れ薬を飲ませてしまういつみ。たとえ普段とのギャップにちょっと心揺れ動いても、エッチな雰囲気がまんざらじゃなくっても、私が絶対百合なわけない!!!!
手を繋いでも喧嘩しても百合にされてしまうこの世の中、果たしていつみは押し寄せる百合に抗うことができるのか?(できない)
もうとにかく主人公のダメさ加減が小気味よく、クズというほど性格は悪くないのだが決して良いとも言えない。クラスの人気者が瞳を潤ませて彼女を求めても「こいつにいい顔しときゃ私も人気者だな」とヘラヘラしているし、王子様系女子の触り方が下手くそだったときは「なんか冷めたから帰る」とか言い出すので笑ってしまった。なんかクズかもしれない気がしてきた。
友人の性格もいい感じに終わっていて、いつみがピンチになっても「確かに性的な目でいつみを見ているけど命を懸けるほど好きってわけじゃない」と彼女を置いてさっさと逃げ出す。どっちもどっちである。
↑この勢い、笑うしかない。
↑薬はマジで笑えるくらい効く。笑うでしょこんなの。
ひたすらにテンポがよく、常に2コマ漫画くらいのスピードがある。『クラスのムカつく女たちが運悪く惚れ薬を飲み、何故か毎回最初にいつみを見てしまうせいで彼女にメロメロになるがいいところで正気に返り、彼女を殴るか放置して帰る』の一連の流れが約束されており、吉本新喜劇のような安心感がある。
↑ぶっ飛ばされるオチみんな大好きでしょ。考えるのがあほらしくなってきてビールを開けたくなる。
↑セリフが頭悪すぎて最高。
特に、いつみの水筒から出されるどうみても怪しさしかないお茶を何の疑いもなく飲んで惚れ薬の餌食にされるくだりは何回でも笑える。「そんな意味わからん物飲むわけないでしょ・・・」→「いや飲むんかーい」の安心感。もうとにかくテンポがえらいことになっててゲラゲラ笑う。
↑この世界の人間はどんなにぶちぎれていようが、飲み物を出されたらとりあえず飲む。いつみ自身も例外ではない。
あとこれは何度でも言わせてもらうんだが、もちオーレ先生の漫画は性癖にグリップする。キャラ設定がめちゃくちゃ好みで、ダサい抱き枕がないと眠れないお澄まし委員長や惚れた女にはメチャクチャ甘くなるヤンキー、気が強そうなくせにあがり症なゴスっ娘といったギャップ萌えがこれでもかというほど詰め込まれていて玉手箱。あと、百合じゃないと言いながらも心を溶かされつつあるいつみも。キャラ設定とシチュエーションの発想に関しては他の追随を許しません。天才的ですほんとうに。
↑雨、バス停、久しぶりに会った後輩と・・・。じりじりと焼けつくようなエロさがある。
さらにおまけとして本編とは何の脈絡もないエッチな百合漫画がのっていて、これはほんとにやばくて最高です。