最近買った百合漫画の感想。
なごり悠先生の『女流作家とユキ』の1巻と
しおやてるこ先生の『アタシのセンパイ』です。
以下感想。
・女流作家とユキ / なごり悠
以下アマゾンより引用
その日、私は貴女に出会いました。
カフェーで働く恥ずかしがり屋の少女、ユキ。何の変哲もない毎日を過ごしていたユキだったが、その日常はたった一人の女性が店の扉を開けた瞬間に崩れ去る。
お客の正体はユキが憧れる女流作家の東紅子(あずまべにこ)。ユキを見た彼女はユキを恋愛小説のモデルにしたいと言いはじめ、見つめ合った二人の時は止まり、そして恐ろしいスピードでユキを飲み込んで動き出した。恋なんてしたことない。だけど、あの人が他の人と話すだけでどうしようもなく胸が苦しい――。
憧れの人に翻弄され、恋に落ちていく少女の物語。
とあるカフェでの出会いを舞台にした女流作家と少女の物語です。
大正といえば和風と西洋が美しく混ざった華やかさが魅力。 いわゆる大正浪漫ってやつですね。
百合的には同じ学校の上級生と下級生で疑似姉妹関係を結ぶエスという文化で有名な時代でしょうか。
木目の美しいカフェの中や石造りの建物が立ち並ぶ通りといったノスタルジックな雰囲気はとりあえず見ているだけで楽しい。
女流作家さんのハットと着物とか、ユキの制服がエプロンon着物だったりとか登場人物の服装も時代特有の和洋折衷が表れていてすごく可愛いんだよな〜。
現代とは違う時代背景だから読んでるだけでその時代の雰囲気を味わうことができる。 雰囲気がしっかりしてるとより深く物語に没入できるので、ここは漫画にとってかなり重要な要素だと思ってます。
あとねーもう何と言ってもユキのピュアすぎる恋心の心理描写がいい。
先生に褒められれば頭がいっぱいになり、他のカフェにいるところを目撃すればめちゃくちゃ落ち込み、恋に忙しい女の子の可愛さがこれでもかというほど描かれている。
自分で自分の気持ちに耐えられないのか、先生に何かされるたびにピャッって逃げちゃうんだけどそういうところもまた可愛いんだよね〜。
先生の一挙一動にユキの淡い恋心がぐるんぐるん振り回されていて、年上の余裕と年下の純情っていう歳の差百合の美味しいところをこれでもかってほど味わえる。
そして女流作家のジゴロっぷりがすごい。果たして狙ってるのか天然なのか。
女の子を褒める語彙が美しいんだよな〜、さすがは小説家。 南天って語彙の引き出しに入ってるか?普通。
こんな殺し文句で褒められたら誰でもコロッといってしまうに決まっているじゃん。
あと先生は顔が良すぎるんだけど、顔が良いだけじゃなくて指の先までカッコよさが溢れてるから小説を書きながらタバコを燻らせる姿がもうめちゃくちゃに絵になる。
この先も大人の色気に溢れた先生の魅力にユキが絡めとられていく様を見ていきたいのでこの漫画には期待です。
・アタシのセンパイ / しおやてるこ
以下本の帯より引用
高校に入学したばかりの1年生・塚本は偶然上級生のイジメの現場に出くわし、オトナの世界を垣間見た。
イジメの被害者であるセンパイ・岡崎の持つ儚い美しさに惹かれた塚本は岡崎に急接近、二人の狂おしき一年間が始まるーーー
いじめのシーンって、現実のいじめの良し悪しはとりあえず置いておくとして、漫画で読む分には結構好き。
いじめる側のスクールカーストから落ちまいとする必死なプライドとかその子に対する嫉妬心だったり、いじめられる側の憎しみだとか自分の持ってる感情がわかりやすくむき出しになるところが好き。
イジメのシーン見たとき、最初はいじめてる子が実はセンパイのことが好きみたいなよくあるパターンかなーと思ってたけど、蓋を開けたら闇の深い因果でびびったよね。
目まぐるしく変わる関係性と次々明かされていく少女たちの本性にページをめくる手が止まらなくて気づいたら最後まで読みきってました。
この闇渦巻く展開の中で塚本の純情はどこへ向かうのか。 先が気になって気になって。
もう全員引くに引けないところまで来てしまってこのままいくとマジでヤバイ!絶対誰か死ぬ!と思った割には最後はすっきりとしていて、胸焼けするほどの感情を読んだのに何故か読後感は爽やかというのも面白かった。
高校を舞台にした漫画で登場人物の死を覚悟するって普通ないからねwww
最近エグみのある百合読んでなかったので新鮮な気分で楽しめました。
たまーーに寿司がめっちゃ食いたくなるのと一緒でこういう百合は定期的に欲しくなる。
というわけで最近読んだ百合漫画の感想でした!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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