乙野四方字先生の百合ミステリー小説『ミウ –skeleton in the closet-』です。
小説はあまり読まないので面白そうだなーと思いつつもなかなか食指が動かなかったのですが、
もう一つお伝えしなければならないことがあります。
『ミウ –skeleton in the closet-』は、百合です。
しかも、ミステリーの衝撃と百合の感動が融合した、未知の小説です。百合読者の皆様、ミステリー読者の皆様。どうか一度、読んでみてください。
ラストに瞠目し、表紙の二人が大好きになります。 pic.twitter.com/rRzpWRa2PT— 講談社タイガ (@kodansha_taiga) September 12, 2018
やっぱりね、出版社から直々に百合です!百合好きの方読んでください!って言われたら読むしかないんですよ。
一時期は百合自体が躊躇われるような時代もあったとか聞きますし、こうやってダイレクトに呼びかけてもらえるようになったって素直に嬉しいよね。
もっと帯とかにも百合!!読め!!って書いてもらえると尚嬉しい。
ネタバレありでもいいんですが、ネタバレしたところで深い考察が書けるわけじゃないのでこの感想はネタバレなしにしました。
内容とは関係ないけど、ラスト10分であなたは騙されるとか最期の五分を絶対見逃すなみたいなフレーズあんまり好きじゃないんだよなぁ・・・。
ミステリー物って大体そういうものでは?って思ってしまうんだよな~。
以下あらすじ、背表紙より引用
就職を前に何も変わらない灰色の日々。あたしは何気なく中学の卒業文集を開き、『母校のとある教室にいじめの告発ノートが隠されている』という作文を見つける。それを書いた元同級生が自殺したと知ったあたしは、その子のSNSのパスワードを暴いてログインし、その子の名でSNSを再開した。数日後、別の同級生が謎の死を遂げる。灰色の日々に、何かが始まったーー。
ミステリーは全然読まないので、ミステリー小説というジャンルに触れること自体新鮮でしたね。
ミステリーは怖いというイメージがあったけど、やっぱりちょっと怖かった。
オカルトではなかったんだけど、自分の理解が及ばない現象や謎に出会った時に人が感じる恐怖はオカルトもミステリーも根本は一緒なのかなと思った。
しかもSNSでの出来事って自分も普段よく使ってるものだから主人公達の感じた怖さがより身近に感じた。
心霊現象系の怖さは後で怖くなってくるので避けてきたけど、ミステリーなら最後に全て解決するので恐怖が跡を引かなくていいね。 夜もぐっすり気持ちよく寝られる。
結構衝撃的な展開が多くて、背筋が凍るのを楽しみながら読んでました。
衝撃の展開→「ヒェッ!」→さらに謎が深まる→話が落ち着く→衝撃の展開→・・・
のテンポが良くて途中でやめどきがわからなくて最後まで一気に読まされましたwww
小説は何回かに分けて読むことが多いんだけど、ミステリーは一度読むのをやめると展開や伏線を忘れて失速しそうなので一気に読むのが正解だったかも。
そしてミステリーの展開に夢中になってて、百合目的でこれ読んだことを完全に忘れてたんだけど、女の子同士の深まる関係性が出てきた瞬間あぁ〜〜いつもの〜〜ってなったよねwwww
ミステリー小説の緊迫した雰囲気にちょっとアウェーを感じていたので、このときの安心感ときたら。
百合小説でした!!!ちゃんと!!!
最初は「う〜ん、確かに女の子しか出て来ないけど・・・」と思っていたけど、確かに求めていたものがありました。 出版社さんの方がわざわざ言ってるんだから間違いなかった。
しかも蠱惑的で狂気の少し絡まった毒入り蜂蜜みたいな上等なやつが。
ミステリーの展開と話とともに深まる二人の関係性、この二つを上手に絡めて話を組み立ててあるのでどちらも目が離せず夢中になってしまいました。
特に最期の展開に関しては確かに話のオチにオォ〜〜ってなったけど、それ以上に二人の関係がオオオオォ〜〜!!!????ってなったので「ラスト10ページは〜」って帯のアオリは百合のことも言ってるんだと思います。 もうなんか二重でびっくりしちゃいましたね。
百合好きは一回で二つの味が楽しめるおトクな小説です。
というわけで『ミウ –skeleton in the closet-』でした。
慣れてないミステリー小説でしたが、謎が綺麗に纏まっていたのでさらさら〜と読んでても話がこんがらがらずオチもスッと理解できました。
読んでいるときあんまり頭使わないから、トリックの説明とかされてもよくわからないまま流して読んじゃう癖があるんだけどそんな自分でも普通に楽しめましたね。
量もそんな多くなく、サクッと読めるので表紙の女の子達と髑髏の組み合わせにビビッときた人は気軽に読んでいただきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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