遠慮がちな女の隣に、真っ直ぐに人を褒める声のデカい女がいてくれると嬉しいという百合です。
↑一番好きな3巻の表紙。足の届かない小さな魔女と姿勢の良すぎる声のデカい女。
『大正忌憚魔女』が良いという話をします。
大正時代。日本に初めて魔女がやってきた。
まだ幼く、小柄で、人を憎むことを知らない優しい魔女だった。
しかし、日本では魔女は忌避されていた。言葉をかければ無視され、道を歩けば常に陰口が絶えない。心無い民衆によって家に石を投げ込まれたりもする。
毅然と立ち向かえる性格であればよかったが、その魔女はあまりにも優しすぎた。どれだけ虐げられようと人を憎むことを知らない、できない。
そんな状況を見たら、誰だって「あぁ!心が真っ直ぐで、高潔で、声がデカい女がこの場にいて彼女の味方をしてくれたら!」と思うはず。いる。いるよ。
↑いる。
魔女の自己肯定感の低さだったり、人に悪意を向けられない性格は彼女の壮絶な育ちからきているのだけど、そんな心の氷を砕いてくれる、アホほど真っ直ぐな女が隣にいる良さ。
尊いとかを通り越して、読んでて嬉しくなる。私はガールミーツガールによって人生が好転していく話が好きだ。
↑自己肯定感の低い魔女の隣に、恥ずかしげもなく真っ直ぐに言葉を投げてくれる、声のデカい女がいてくれて嬉しい。
魔女は9歳。声のデカい女は女学生ということしかわからないが少なくとも同い年ではないだろう。もしかしたらおねロリなのかもしれない。わからない。
対等である二人の関係では、おねだとかロリだとかそういう役割はあまり表れない。おねロリ感のないおねロリということになるのか?
ノスタルジックな世界観と紡がれる言葉が美しい百合物語。ぜひ読んでみてください。