青肌魔人と天使の百合と聞いて「好きじゃありません」って言う人いないと思うんですよね。
人外百合の時間です。
十五夜先生の『青肌巨乳とクソボッチ』
天界学校に通うボッチの天使に念願の友(魔人)ができる、という感じのストーリー。
何はともあれ、まずビジュアルが良いと言わせていただきたい。もう一度見よ、表紙を。青いぞ。
10m先からでもすぐに人外百合だとわかるこのインパクトは凄まじく、例えば地球の裏側で表紙を見せても「ほう、人外の百合ですか」と理解してもらえるのである。人外百合は国境をも超える。
私は人外百合を選ぶ時、見た目から入ることが多い。
百合漫画が刺さるかどうか中を開いてみないとわからない。が、人外百合の場合表紙で刺さりを確信する時がある。
人外百合においてビジュアルは入り口でもあり中身でもある大事な要素だ。それはこの漫画のタイトルが「魔人」ではなく「青肌巨乳」となっていることからもわかる。
実際、表紙とタイトルで購入を決定した私の例からしてこのマーケティングは間違っていないことになる。
この漫画、驚くことに全編フルカラーなのだが、その理由がモノクロだと青肌が再現できないから(後書きより)でビビリちらしてしまった。
サラッと書いてあったが、塗りにどれだけ膨大な労力がかかるのかは想像に難くない。魂の込もった青に私が惹きつけられたのも必然ということだ。
この漫画、ビジュアルだけではなく当然内容も良い。
青肌の魔人、瑠璃。表紙の雰囲気的にガサツでデリカシーがなく、常に「ハラ、ヘッタ」とか言うタイプかと思いきや、実際は愛嬌たっぷりで周りに元気を与える太陽のような可愛い子だったので驚いた。
人は見た目で判断してはいけないとはいうが、魔人も見た目で判断してはいけないということである。
↑この包容力を見よ!クラスでアイドル的な扱いをされているのもうなずける。
一方リアンは友達のいない孤独な天使。馬鹿にする奴らを勉強で見返そうとするが、それが返って孤独を深めていることに不器用な彼女は気がつかない。
クソボッチのクソとは性格が悪いではなく、拗らせてるという意味だ。本当は友達が欲しくてたまらないのに方法がわからないから、孤高を選ぶしかないのである。
そんなリアンの欠けた心に瑠璃の優しさがスーッと入っていく様がとにかく最高で心が暖かくなる。
私は孤高なキャラクターの物語が大好きだ。他人と繋がる道を選ばず孤高に生きる人を美しいと思うし、人との出逢いにより新たな道を歩み出すのもまた美しいと思う。
↑「いつも売店で売れ残っている姿に親近感を覚える がんばれ・・・」キャラの魂がこもったセリフだよな
↑購買のオバちゃんすらも良いキャラデザなのだ!
ちなみに登場人物のほとんどが女性の人外なので信頼しています。
次の巻では新しく獣人の子が登場しそうなので楽しみです。