最近読んだ百合漫画の感想。
と
将来的に死んでくれ 7巻 / 長門知大
なんかやたら固いはがきが入っていると思い取り出したらなんと感謝状が入っていた。百合漫画読んでるだけで感謝されてしまった。
何者かが小槙にバレンタインチョコを渡している現場をみてしまった菱川。普段の自分への態度からは考えられないような笑顔の小槙を見て菱川はさすがに諦め・・・ない。諦めない。
恋敵がいるのならそれよりさらに強烈なアピールを決めて打ち勝つのみ。自分の愛に絶対的な自信を持つ菱川だからこそできる気持ちの良すぎる正攻法。邪魔するもの皆叩き潰す。ブレーキの外れた2tトラック。
これだから菱川は最高なんだ。
将来的に死んでくれ、堂々の完結。
最後までトップスピードで駆け抜けた猪のような百合。好きな人の胸元に札束を差し込んで「ヤらせて」から始まったときはどんな百合漫画だよと思ったがでよくこのテンションで最後まで走り切ったよ。
愛がデカすぎる菱川と呆れつつも決して突き放したりしない槙が作る二人の世界はどこまでも優しく温かい。この安定した優しい世界がとても好きだった。
推しが武道館いってくれたら死ぬ 6巻 / 平尾アウリ
アニメ放送を1月に控えている推し武道もついに6巻。この巻は何といってもステライツとChamJamによるアイドル百合大決戦でしょう。
ステライツのメンバー、佳耶。百合営業の需要やメンバーの人気に便乗するメリットを理解している彼女は、女性ファンの多いメンバー涼菓に百合めいた絡みをすることで自らの人気上昇を狙っている。その一方でプライベートでは涼華と一切の関わりを持とうとしない。そこにあるのは完全にビジネスライクな百合である。
百合営業は関係性のオタク層を生み出すが、あからさまな絡みはどうしてもあざとさが目立ってしまう。本気で愛しているファンからすれば生半可な愛なんてすぐに見抜ける。故にの涼華のガチ恋ファンからは噛みつかれてしまうときもある。
しかし営業目的とはいえ、数多の女オタを虜にしている天然ジゴロの涼華にそんなに近づいてしまって大丈夫なのか?もちろん大丈夫ではない。涼華の裏表のない優しさ、顔の良さの前に佳耶は陥落。吹き出しをハートにされてしまった。
百合の真似をしたらそれはもう百合の始まりなのだ。
その佳耶が「百合営業がぬるい」と評したのがChamJamの核弾頭的カプ、ゆめ莉と眞妃である。佳耶は特に仲の良さをアピールするわけでもない二人の実態を掴めずにいたが無理もない話である。何故ならゆめまきはライブの帰り道で花開く百合だからだ。
ゆめまきの関係性は二人の間でもあまり言葉にされていない。ゆめへの感情を全て圧縮して「尊い」の一言で済ませた真紀。その言動はオタクのそれと一緒だが、何故か雅さすら漂ってくるから不思議だ。そこにはあえて言葉にしない奥ゆかしさがある。
だが百合営業というはっきりとした目的を持つ佳耶と涼華の関係を前にゆめは不安を感じてしまう。
アイドル同士の対バンの裏でこんなアイドル百合同士の対バンできるのこの漫画だけでしょ。