寝路先生の『監獄街へようこそ!』1巻です。
『ぼっち怪物と盲目少女』通称ボッチ盲で人気を博し、月刊百合姫とゆりひめ@ピクシブでW連載が始まった寝路先生の人外新作がついに単行本になりました。 全世界待望。
人外といっても見た目は人間から大きく離れていないのであまり人外に馴染みが無い人でも気にせずスッと入っていけると思います。
連載が決まったときから単行本が出るのを待っていたのでとても楽しみです。
以下感想
・登場人物
アカリ
偶然監獄街に迷い込んでしまった人間の女子高生。 不法侵入の罪で収監され罪を清算するために毎日労働に励んでいる。
疑似夫婦制度のパートナーとしてメアリーと一緒に生活している。
メアリー
フランケンシュタインの女の子。 表情が少ない。
不器用なアカリと違い、労働も家事もそつなくこなすできた子。 アカリに似た妹がいるようだが・・・?
寝路先生のキャラデザ好き。 ジト目・・・いいね!!
今回は主人公のアカリ以外は全員人外ということで先生のセンスがキャラデザに遺憾なく発揮されております。
物語はアカリが監獄街の一員として日常を過ごすシーンから始まります。
監獄街とは何なのか、何故アカリは監獄街で収監されているのか、何故メアリーと一緒に暮らしているのかは追って説明されていきます。
こういった世界観の説明なくいきなり作品の世界にぶち込まれる導入って説明が無さ過ぎると勝手に進んでいく話にイライラし(例:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q)、かと言って登場人物が丁寧に説明しすぎると何だか作者に無理やり喋らされているみたいで違和感を覚えてしまう事が多い。
でもこの作品の場合はその辺の塩梅がちょうど良くて、読む側がまるで監獄街に迷い込んでしまったかのような体験や未知の世界観が徐々に明かされていくワクワク感を味わえる導入となっていて描き方が上手いなぁと思いました。
何といっても世界観がとても魅力的です。
監獄街は人間の世界と別の完全なる異世界。 そこへ収監されている囚人たちは二人一組で夫婦としてペアを組み、毎日様々な仕事に従事することで罪を清算します。
監獄とはいうもののギチギチの獄中生活というわけではなく、パートナーとの家を持ち自分の個性を活かせる仕事につき、休日は遊びに行くなど割とゆるふわ~な雰囲気。
日本の社会の方がよっぽど獄中っぽい。
どことなくハロウィンっぽい監獄街の雰囲気とか食べ物一つにも世界観が良く練り上げられていて素敵。 コマの隅っことかにちっちゃいネタとか見つけるとつい嬉しくなっちゃう。
こういう細かいところの設定が世界観の魅力を形作るんですよね。
なんかディズニーに初めて行ったときのドキドキを思い出したな。
囚人達はみな人外で女性(この辺はさすが百合姫)。
メアリーの他にも色とりどりの個性豊かな人外キャラがいます。
個人的にはチェシャ猫のキャラデザ、設定がとても可愛いなと思いました。
尻尾だけ置いてくチェシャ猫。 メルヘン全開で最高。
チェシャ猫と言えばディズニー映画の紫色のやつが有名だけど、このシーンもあったりするのかな?
道化師のような一筋縄ではいかなさそうな性格もツボでした。
ペアで言えば獄長と副長のカプが気に入りました。
お調子者の獄長と真面目な副長。
どう見てもイカツイ獄長の見た目とゆるさのギャップが好き。
ちょっとアダルトな二人の関係がまたいいよね。
足をねんざして帰ってきたアカリに塩対応をされ、足が心配だが取り付く島がなくウロウロするメアリー。
可愛い。
いやー人の気持ちに不器用キャラの萌ポイントをわかってらっしゃるなー!!
デフォルメキャラも破壊力高すぎ。
メアリーの罪状の詳細。 妹に何が起こったのか。 アカリの姉の話などはこの巻ではまだ明かされませんでした。
この先様々な問題が二人の前に立ちふさがるでしょうけど、お互いが初めて向き合ったシーンを見て、これから夫婦として一緒に乗り越えていく様を見守っていきたいと強く思いました。
まだまだお互い知らないことばかりだしね。 夫婦としての絆はまだ小さいですが大きく成長していくのが楽しみです。
あと普段無表情なメアリーが必死になってアカリを追いかけるシーンはグッときました!!! 大切な人のためになりふり構わず行動する姿はやっぱり惹き込まれますね。
監獄街の詳細や地獄の存在など他にもまだまだ明かされていないことがありますが、これから明らかになっていくのを楽しみに待ちたいと思います。
というわけで『監獄街へようこそ!』1巻でした!
連載が決まったときからワクワクしながら発売されるのを待っていたので読み終えたときの満足感もひとしおでした。
人外のキャラデザだけでなく世界観も凝っていたので読みごたえがありましたね。
W連載ということでもう片方の『ばけーしょん魔王とペット』の単行本化も待ちつつ監こその次の巻も楽しみにしてます。
寝路先生にはあまり無理をなさらない程度に人外百合界隈を盛り上げていただきたいなーと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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