義理母×娘! いけないぞ~、これはいけない(歓喜)
宇河弘樹先生の『二輪乃花』です。芳文社から出版されていて、『つぼみ』に連載されていました。
宇河先生はヤングキングアワーズで『猫瞽女―ネコゴゼ―』を連載中です。
猫瞽女は百合漫画というわけではなく、濃い世界観のSFアクション物なのですが主役の二人がたまに見せる百合シーンが好きで「おお~、ええやんええやん」と読ませてもらっていたのですがまさかつぼみで描かれていたとは知りませんでした。
でもすごい納得した。道理でグッとくるわけだ。
今回は表題作の『コブリアワセ』について紹介したいと思います。
・だいたいのあらすじ
戦争が終わり、主人公であるエリは亡くなった母の実家へと引き取られることになった。
しかしこの町ではある変わった風習が残っていた。コブリアワセと呼ばれるその風習は、亡くなった伴侶の後を弟や妹が引き継ぐというものであった。
そして母の妹であり、新しい母親となるその女性ミヤコは亡くなった母にそっくりだったのだ。思わず失神するエリ。
それはまだ戦時中でエリが幼かった頃の話。空襲から避難している途中で、家に取り残された猫を心配するエリのために、母は猫を探しに家へと戻っていった。
そして結局、猫は家の焼け跡から死骸で発見され、母が帰ってくることはなかった。
過去のトラウマから、亡くなった母に似すぎているミヤコへと強く当たってしまうエリ。
そんな新しい生活に馴染めないでいる中、エリはミヤコが町の人から白い幽霊と呼ばれていることを知る。
・ハッピーエンドです
表紙からしてシリアスだろうなと思っていたけどやっぱりシリアスだった。
設定もさることながら画風のおかげでさらに重い、けど個人的には嫌な重さじゃなかった!
そして確かに重かったけどそんなに暗くはなかった。コミカルなシーンもあったりして、笑ったり恥ずかしがったりと生き生きとした表情もあってよかった。デフォルメもかわいい。
ちなみにこの本に入っている他の二作の内、一方は息が詰まるような激重&暗い話で、もう一方は変態警察官のシリアスのシの字もないようなお話。
変態警察官の方は他の作品とは違う画風で描かれていて、ちゃんとギャグな内容にあった絵になってます。ちゃんと使い分けてるんだなぁ。
独特な画風ですよね。 影が多くて濃い絵なのですがそのおかげで逆に光が引き立ち、薄くぼやぁっとした朧げな雰囲気が出てました。
夏に昼寝している時にみる夢みたいな。
身内の禁断の恋って茨の道しか待ち受けてなさそうなイメージだけど、これはそういう先の閉じた終わり方ではなかった。
むしろこれから幸せな暮らしが待ってるハッピーエンドでめっちゃよかった。
そもそも母と娘なんだから一緒に暮らしてても何にもおかしいところはないよね。あれ?これ好きなだけイチャイチャできる?
母×娘、可能性が見えてきたな。
っていうかお父さんどこ行った?
普段は別のところで暮らしているのか、空気を読んで画面に映らないようにしているのかはわかりませんが、この話ではお父さんは全く出てきません。
もし出てきてたら百合的にキツい展開になることもあり得たので、お父さんグッジョブ。
自分は都会に出稼ぎに行ってるのだと思い込むことにしました。 一瞬お父さんのセリフらしきものも出てきた気もしますが、気にしない気にしない。
あとエリちゃんとミヤコちゃんは同い年らしいですがあんまりそういう感じはしなかった。
どっちかというと、まるで娘と同い年のように見える程若いお母さんって感じ。
ミヤコちゃんが母性と包容力に溢れすぎてるのが原因だと思うw
エリちゃんは昔のトラウマからミヤコちゃんに強く当たっちゃうんだけど、ミヤコちゃんは優しく全て受け入れてくれるんだよね。完全にいいお母さんなわけ。どんだけいい人なんだよと。
小さいときは蔵の中で暮らしてて、その間もずっとエリちゃんの話を聞いてずっと会えるのを待ってたって話ホント泣ける。
そりゃーそうだよなー。だって最初にあったときめっちゃ嬉しそうだったもん。
エリちゃんと暮らせるのが楽しみでしょうがなかったんだろうね。
このセリフに殺されるかと思った。
個人的に百合殺し文句ランキングTOP5に食い込めると思う。子供が欲しいとかなら聞いたことあるけど、子供になって欲しいって破壊力高すぎる。
このセリフだけで心が満たされるのを感じる。
母と娘ってある意味恋人より強い関係でもあるし、これからもずっと一緒にいられることを考えるとなかなかに未来のある関係だよね。
ミヤコちゃんには今までの分も幸せな生活をして欲しいよ。
うおおおおおお!母×娘きてるきてる!
「あっ」って何?一体どこまで?どこまでいったの?どこまでいっていいの?妄想が暴走する!
というわけで『二輪乃花』でした!
いやーイケナイ関係はやっぱりグッとくる。
あと本の最後におまけみたいな感じで百合の短編のプロットみたいなのが八個くらい載ってるんだけどどれもすごい読んでみたい。
特に夫の自動人形が妻に惚れる話。
どの話も設定が凝ってて、パッと見てあー読みて―ってなるものばっかりだった。いつかやってくれないかなー。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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