百合漫画史上最大の問題作・・・というかこれは百合漫画なのか?
倉田嘘先生の『百合男子』です。百合姫コミックスから出版されております。全5巻。
主人公が男という時点でだいぶ異質なこの漫画は読者の間でも賛否両論(ただし否の方が多め)。自分は初めて読んだときに大笑いさせられたので割と好きです。寒いという意見もわからなくもないですが。
腐女子が出てくる漫画とかってたまにあるけど百合好きな男が登場する漫画ってあんまり見かけないよね。たま~にはこういう漫画があってもいいんじゃないかな。ただ百合姫じゃなくて他の雑誌でやったらもうちょっと批判を受けなくて済んだかもしれないですね。
・主なキャラクター
花寺啓介
現実、創作を問わず百合を愛する百合男子であり、百合連盟のリーダー。推し百合ップルは『ゆるゆり』の京結であり、どんな百合でもいける自称オールラウンダー。
百合が全ての行動の理由となっていて、全ての女子は女子とくっつくべき、男は存在してはならない等の非常にめんどくさい理念を持っている。よって他の女子の間に余計な茶々を入れたり、他の考え方を受け入れなかったりして問題を起こしまくるトラブルメーカー。
籠目正二郎
百合連合のR18担当。一目見ただけでうわっ・・・チャラ男やん・・・とわかるほどのチャラ男。百合はあくまでもファンタジーであり現実と妄想の区別はするので、啓介と違い普通に女の子も好きだし付き合う。この考え方の違いで度々啓介と衝突する。好きな作品は『少女セクト』
籠目のこの考え方はねー、初めて百合男子読んだときはまだ未熟だったのでよくわかんなかったですけど今はすごくよくわかります。
要するにまずエロがあっての百合じゃなくて、手を繋ぐとかキスの延長線上の体のつながりでそういうシーンが入ってくるってことだよね。そりゃあ好きなカップリングならキスシーンもみたいしその先だって見たいよね。当たり前のことです。
二人が結ばれてからの初めての夜とかもう見てるこっちが多幸感で破裂するんじゃないかって気分になるよね!
ちなみに自分のHNはセイジロウで正二郎と被ってますが、三秒くらいで適当に考えた名前なので全く関係はないです。
鎌倉豊
守備範囲は女性向けの百合。心理描写を掘り下げた作品を好み、ファンタジーな百合は好きではないので最近流行っている男性向け百合には苦言を呈する。さらに言うと作家も女性であることが理想。エロシーンも心理描写には必要であると思っている。こいつもめんどくさいな・・・。好きな作品は『青い花』。
武蔵野弘之
守備範囲は鎌倉と同じく女性向けの百合。しかし鎌倉と違い女の子は男を知らない方がよく(要するに処女厨)、エロシーンも必要ない派。好きな作品は『マリア様がみてる』。
アルバイトをしている書店で百合を広めるために百合コーナーを作っているが、一過性のブームで薄っぺらいにわかが増えるだけならいっそのこと流行らないで欲しいと思ってたりもする。要するにこいつもめんどくさい。
桜ケ丘健司
主に男性向け百合を好み、ごちゃごちゃした心理描写よりイチャイチャチュッチュが好き。ただしエロシーンはNG。女性向けを好む鎌倉とは新参VS古参の構図でよく対立する。好きな作品は「けいおん!」。
桜ケ丘が百合好きの友達と対立する話はあー・・・ってなりました。あー・・・って。
学校の百合仲間が実は女の子同士の関係性としての百合好きではなく、男が出ない状況の中で好きなだけ嫁を愛でる俺嫁厨で、考え方の違いから桜ケ丘とぶつかり合うという話なのですが最近の百合事情を表していて面白かったです。
まぁ確かにゆるゆりの抱き枕とか百合的に言ったら一番必要じゃないものですしね。好きなカップリングをベッドで寝かせて自分は床で寝るとか?w男性的な需要が高まっているのも事実。
最終的に奴らもいつか本当の百合の良さをわかってくれるだろうということでオチましたが、彼らは彼らで別にいいんじゃないかなーと思います。
ヘテロな目で見るな!なんて言うのは何様だと思うし、そうやって頑固になって新規を追い返し、変なやつしかいないというレッテルを貼られては百合というジャンル自体を縮小させかねません。それに実際ジャンルを支えているという意味では彼らの貢献は大きいと思います。多々買い慣れしてますからね。決して交わらない者同士だけど別に交わらなくていいんだよ!方向性は違えどもジャンルを一緒に支えていこうということでいいんじゃないでしょうか。よし、いい感じにまとまったな!
百合男子はこの五人、通称百合連盟の面々がときにしょうもない理由でぶつかり合い、そしてときに協力し合う、そんなことをしながら最近の百合事情や百合男子のめんどくささを描いているギャグ漫画です。だよね?
登場人物だけで結構長くなってしまったので他のことは次回書きたいと思います!それでは!
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