個人的に姉妹百合の最高傑作の一つだと考えています!
ひらり、コミックスから出版されている紺野キタ先生の『女の子の設計図』です。
表題作が三話と短編が三話載っていますが今回はもちろん表題作を紹介します。
ネタバレありなので注意です
・だいたいのあらすじ
憂鬱な表情でインターホンを押そうとする少女、花南。 そしてボタンを押す前に玄関から現れた天パーの少女、青音。
「花南ちゃん?」
「・・・青音ちゃん?」
こうして二人の姉妹は久しぶりの再会を果たしたのだった。
姉妹がまだ幼かった頃に二人の両親が離婚、花南は父のもとへ、青音は母のもとへと引き取られ姉妹は離れ離れになってしまった。 そして最近花南の父が20歳年下の女性と結婚、その新婚生活に対する嫌悪感に耐えられなかった花南は、かつての母と青音の元へと転がり込むことにしたのだった。
生々しいという表現がとても生々しい。
元は同じ家族だったとはいえ、空いてしまった心の距離はすぐに縮まるものではない。 どこかぎこちなさを感じつつも、花南はかつての母と妹の青音と暮らすことになる。
そして花南は青音と同じ女子高へ編入。 しかし周りからその容姿を妬まれ疎まれてきた花南は女友達というものにいい思い出がない。 そんな花南を隣から優しく支える青音。青音の優しさが花南の固まった心を溶かしていき、花南は学校にも馴染むようになり、新しい家族とのわだかまりもなくなっていく。
そんなある日、花南は自分の中にある気持ちが芽生えてしまったことに戸惑うのだった。
・美しすぎる姉妹百合
うわーん!切ない。切なすぎる。なんて儚くて美しい話なんだ。
姉妹百合が他の百合と決定的に何が違うって、世界がそれを許さないところだよね。 もし両想いになってしまったらそこからは修羅の道しか始まらないよね。 相手の気持ちと自分の気持ちと世界と向き合わなきゃいけない。 そんな少女たちの強く生きる姿が見たくて自分は姉妹百合に惹かれるのです。
世界がなんじゃ!妹が好きで悪いか!って姉も結構いるけどねw
この漫画は最後の方まで二人の心情があんまりナレーションとかで語られないんですよ。 でもキャラクターの視線で動揺とか決意とかとても伝わってくるんです。 そして最後で「神様、神様ごめんなさい。」から始まる花南の独白。 もうね、こんなん泣きますよ!
紺野キタ先生の淡い画風も世界観にめちゃくちゃ合ってて、もうこの話にはこの絵しか考えられなかったと思います。
姉または妹が自分の気持ちに気づいてしまうシーンって姉妹百合の一番いいとこじゃないかと思ってます! 今まで自然に取れてたコミュニケーションが急に取れなくなってギクシャクしだすのいいよね~! 義理だとまずお互いの仲良くなるまでのステップを踏んでるからなお引き立って良し!
もう二度と会わないつもりでデートしてる花南とそんなことも知らずウキウキの青音。 青音の浮かれ具合が切ない。 そのあと最後の思い出に花南から誘ってお風呂入るってのが悲しいね。 そして飛びつく青音ちゃんw
自分の気持ちに正直になった瞬間、次はその人と別れる覚悟をしなきゃいけないってのは残酷だよね。 やっぱり姉妹百合って残酷だから美しいみたいなところある。
以上『女の子の設計図』の紹介でした!
初めてこの本を読んだときに「うわ・・・やられた・・・」と思ってしまったほど儚くも美しい物語だと思います。 特に最後二人の一日が始まるシーンからの一連の流れはただただ綺麗で上手く言葉にできない自分を呪うばかりですw
イチャラブ系の百合とは全く別の百合ですけど百合が好きな人には是非一度読んでもらいたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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