柚原もけ先生の『安達としまむら』コミカライズ4巻
小説もアニメも何周もしたはずなのに、漫画の新刊が出るたびに新鮮な気持ちで楽しんでいる。毎回新しい『安達としまむら』を胸いっぱいに吸い込める幸せ。アニメとはまた違った方法で安達としまむらを再現してやらぁ!という作者の熱意をビシビシと感じている。
この巻で描かれるのは、殻を破り生まれ変わる安達と前回のリベンジを胸に誓う樽見だ。
まず安達だが、前半部分は彼女にとってなかなか辛い展開が待ち受けている。
安達としまむらのクラスが変わった。環境が変わったことでしまむらの居場所も変わってしまった。
安達はしまむらと過ごす時間が増えてきたとはいえ、未だ特別な関係には至れていない。もし新たなクラスで彼女に新しい友達ができ、新たな居場所ができてしまったのなら、安達との関係は薄れていく。一般的な関係とはそういうもので、人の手を取るタイプではないしまむらの場合ならなおさらそうだ
安達にとって環境が変わることはなんの問題もないだろうが、しまむらとの関係が変わってしまったら困る。すごく困る。
離れつつあるしまむらとの距離と前へ進めない自分。そのどちらも耐え難く、安達はかつての居場所だった体育館の2階に再び逃げてしまう。
人間関係に前向きなヒロインであれば迷える安達に手を差し伸べてもくれただろうが、しまむらはそうじゃない。しまむらはそういうことをしない。その事実がさらに安達を硬くする。
↑このエキシャーマンは張り詰めるような威厳があってよかった。
安達が叫びで自らの殻を破るシーンは全編を通してもお気に入りだ。以降の安達は一味違う。しまむらを愛するために海の底から自力で浮かび上がってきたのだ。安達、再誕。
安達が海の底で塞ぎ込んでいる間に樽見は着々としまむらへアプローチしていく。
↑というかコミカライズの樽見、”異様に”可愛くないか!!??
めちゃくちゃ可愛くしてやるぞ!という意図を感じないか??なんか散りゆくものへ花を持たせる的なそういうことなのか??それとも単純に柚原もけ先生のお気に入りキャラなのか??
振られキャラ(?)の振られる前の可愛さ、平家物語的な無常感がある。
というわけで今回もめっちゃ面白な安達としまむらコミカライズ。あまりにもキリが良い終わり方だったので不安になってしまったが、本誌では連載が続いているようで安心。5巻を全力待機!