伊藤ハチ先生の『ご主人様と獣耳の少女メル』の3巻となります。
獣人おねロリここに完結です。
この漫画が完結したので先生の連載は『月が綺麗ですね』のみとなりましたが、それでも月刊連載なので結構大変そう。
一人で漫画描いてるって前どこかで見たことあるけど、一人で描いて2作同時連載って一体何をどうやったらそんなことができるんですかねw
アンソロでもしょっちゅう見かけるし、コミケでも毎回おねロリ描いてるし作業風景が気になって仕方がない。
以下感想(ネタバレあり)
ご主人様の所有する別荘へとやってきた二人。
しかし前の巻でフランが言っていた獣人と人間は恋人にはなれないという言葉が心に刺さり、メルはどことなく元気がありません。
獣人のメルは芽生えてしまったご主人様への愛を小さな体に抑え込み、悩み苦しみます。
果たしてこの愛は許されないのか。
その難題はメルには重すぎました。
この気持ちを諦めるために、最後に寝ているご主人様にそっと気持ちを伝えるメル。
しかしご主人様は実は起きていたのでした。
このヘタレ具合よw
メルがあれだけ決死の想いで自分の気持ちに決別して伝えたというのに、初めてラブレターもらった中学生男子みたいなリアクションのご主人。
でもあわあわしているおねは好き。 ロリに言い寄られてたじろぐおねはおねロリの魅力の一つでもあります。
「好きに決まっている」
「メルへの肉体的接触ができるのか・・・? できるな・・・」
好きやんけ! できるやんけ!
ここでも立ちふさがってくる種族の壁。 安易に答えは出せないご主人様。
でもこの壁のせいであきらめざるを得ないという感じじゃなくて、二人の関係を進める勇気が無くて理由付けてうんうん悩んでるふりにしか見えないんだよな・・・。
わかりやすくいうとドヘタレです。
人間と獣人の恋がバレてしまったら人間は逮捕され、獣人は施設に送られてしまう。
お互いに距離を置くため、別々に寝ることを提案するご主人様。
その後、一人で背負い込んでしまうメルの性格を思い反省しましたが、時すでにお寿司。
翌朝メルはメイド服を残し、お屋敷からいなくなってしまいました。
巷に溢れる獣人誘拐の噂に、メルにもしものことがあったらと急いで捜索に出るご主人様。
途中で同じくメルを探しに来ていたマリーと出くわします。
「私はメルのご主人様であってもメルを傷つける人は許さない・・・!」
メルのことを誰よりも思っていたのはご主人様じゃなくてマリーだもんね。
完全に対応が後手に回ってしまったご主人。
獣人誘拐の組織に危うく捕まりそうになったメルとマリーでしたが、すんでのところで警察が来てくれたおかげで事なきを得ました。
メルを保護しているテスラの家へ駆けつけるご主人様ですが・・・。
また拒絶されてしまったご主人様。
しかし、もう彼女は引きません。
「メルの主人は私だ!」と吠えると雪の降りしきる中メルを待ち続けます。
あんなに表情のなかったご主人様がここまで感情を出すなんて・・・。
周りの人を信じられなくなり心を閉じてしまった過去を思うと泣けてきます。
そのままテスラのお屋敷に引き取られることもできましたが、メルはご主人様と向かい合うことを選びました。
ご主人様も正面からメルの気持ちに応えます。
立ちはだかる種族の壁とおねという立場から来る重たい責任に負けず、「獣人とか人間とか関係ない」と言ってのけるご主人様、かっこよかったです。
最初はこのおね大丈夫かなぁ・・・と思うこともありましたが、こうしておねの矜持を見せてくれました。
1巻の時のご主人様は常に無表情というか冷たい表情をしているコマが多かったのですが、3巻のときには怒ったり笑ったり心配したりと、コレットさんではないですがとてもいい表情をするようになったなとしみじみ感じてきます。
そして二人は一緒に暮らすため遠くの場所へ旅立つのでした。
ああ~~~~コレットさ~~ん。
この人は最初から最後まで優しさに満ち溢れたとってもいい人でした・・・。
ご主人様にメルをよろしくするんじゃなくてメルにご主人様をよろしくするんだなw
まぁメルの方がしっかりしてるからなぁ・・・。
というわけで獣人おねロリここに完結です。
ハートウォーミングな雰囲気と魅力的なキャラクターが織りなす心温まる物語でした。
おねロリの命題である「ロリを正面から愛せるか」という問題に、二人は仲良く暮らしましたみたいなうやむやエンドにせず、メルとご主人の決意を描ききったのはさすが伊藤ハチ先生だと思います。
今回はおねロリだけでなく、禁じられた種族間の恋というテーマもあったので少し重たい場面が多かったですね。
あと人を信じられなくなるという過去持ちは伊藤ハチ先生お気に入りの設定なのでしょうかw 結構頻繁に出てきますねw
今回は同性については全く触れられませんでしたね。
というか伊藤ハチ先生はその辺は描かれないことが多いですね。 緩いというか潔いというか。
ちょっと前にも話題になりましたが、個人的には同性ゆえの葛藤は必ずしも必要ではないかなーと思うので、自分は伊藤ハチ先生のスタイル好きですね。
次回作にも期待したいところですが、さらにまた連載が始まってしまうとさすがに大変だと思うので『月が綺麗ですね』を待ちつつアンソロなどでも伊藤ハチ先生の作品が読めることを楽しみにしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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