でもこんな表層的なもので不確かな物でなく もっと別のー・・・
文尾文先生の『私は君を泣かせたい』の2巻です。
1巻の表紙は、ボロボロと大粒の涙を流すハナとそれを無表情に見つめ涙を拭ってあげる羊の二人でした。
2巻は・・・おおっ?
真っ直ぐに見つめるハナと視線をそらす羊。 隠しておきたい気持ちが生まれてしまったため、目を合わせることができない・・・そんな感じがしますね。
なんかすごく百合らしくていい・・・。
以下感想(ネタバレ注意)
ナチュラルに放課後デートする二人。
映研の活動の一環とは言え、人付き合い嫌いな羊がわざわざ放課後を消費してまで映画に行くとは。 だいぶ二人の距離も縮まっているのを感じますね~。
距離が縮まるというよりは羊の心の壁が薄くなりつつあるって感じかな?
見ていた映画がエッチなシーンに突入し、気まずくなる二人。
絶対こういうシチュエーションあると思ってましたよ!!!
視線を逸らしても負け、内容に言及しても負けといういたたまれない状況。
心の中で大暴れしつつも、表面上は冷静を装ってお互いに「ふーん」みたいな顔でずっと映画見てるのが笑えるw
しかし、こういうとき喋ったら負けみたいな雰囲気になるのは何でだろうね?
ハナとヒメが仲良くなったことで、羊、ハナ、ヒメ、葵の四人で絡むことが多くなりグループになりつつある。
が、しかし仲はそんなによろしくない、というよりむしろギスギス。
昔からの幼馴染としてヒメの横をキープしてきた葵。
能天気なハナとヒメが仲良くすればするほど、葵は嫉妬でギリギリし、不穏な空気を察知した羊はハラハラ。
空気を持ち直させる役割の人が羊しかいないので、ただただ辛そうw
しかも羊がフォローに回れば回るほど、葵の地雷を踏みぬき空気が重くなるという悪循環w こんな4人組嫌だぁ・・・。
四人で映画を見ることになったのだが、選んだ映画が思ってたより泣けるものだった。
人前で泣きたくないと言っていたハナが泣きださないか心配だった羊だが、ハナは意外にもケロリとした表情。
ヒメと葵が帰った後、せき止めてたダムが水を流すように泣き出すハナがかわいいw
「他のヤツの前で みっともない真似できるかよ」
羊の前ではみっともない真似晒してるって自覚あるんですよね~~。
その後の独占欲が満たされてニヤリとしてしまう羊に心がジワッとなる。
人前で泣くのがみっともないかどうかはともかく、人前では泣きたくないという気持ちはわかるなー。
自分は他の人がいる状況で映画とか漫画読んだりするのは好きじゃないんですよね。
やっぱり作品を心から味わうときは、感受性を全開にするというか心をむき出しにして楽しみたいのですよ。
他人がいると委縮しちゃって心にフィルターかかっちゃうので、喜怒哀楽が中途半端になっちゃうんですよね~。
だからハナが羊の前で泣けるのはそうとう心を許してる証拠なんだなとしみじみ思います。
愛をばら撒く系女の子のヒメと彼女の特別になりたい葵の溝はさらに深まり、こじれた展開へ。
幼稚園からずっと一緒にいるのに、ここまで大きなすれ違いをし続けてきたのかぁ。
長年の想いに全く気が付かれなかった葵の心の痛みは推して知るべし。
それに対してヒメは葵ちゃんが友達だと思ってくれていなかったことに悲しいと、まるで葵ちゃんへの信頼を裏切られたように語っていたのが印象的でした。
目の前で長く積み上げられてきた友情愛情が一瞬で崩れ去る一部始終を見てしまった羊は自分とハナとの関係について考え、彼女とのもっと別の確かな繋がりが欲しいと思ってしまう。
この不敵な笑顔一万いいねしたい。
羊の心に静かに渦巻く強い感情大好きなんですよ~~。 ゾックゾクくるよね。
1話の「ちょっと泣いてみて?」って台詞もビリビリきたもんね。
見たい・・・優等生のハナがヤンキーに首輪をつけて(比喩)独占欲をむき出しにするところ・・・!! 見た過ぎる・・・!!!
というわけで『私は君を泣かせたい』2巻でした!
この巻は葵とヒメのこじれていく展開がメインでしたので、次からそれを目の前で見ていた羊とハナがどのような行動に出るかが楽しみですね~~~。
ドロリとした展開になるといいな~~~~~~。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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