生々しく傷つけ合い繋がり合う女の子たちのお話
ひらり、コミックスから出版されております、吉田丸悠先生の『きれいなあのこ』です。
ひらり、の別冊アンソロジーで『ほうかご!』ってのがありまして、部活女子のライト百合を集めた本なんですが、そこで初めて吉田丸悠先生の話を読んでとても惹きこまれたのを覚えています。
なのでこの漫画が出るときもすごく期待して買ったのですが、その期待を裏切ることのない内容でした!自分はドラマティックな展開に弱いのでとても楽しめましたw
以下感想をば
そこそこな人気を持つ六人組アイドルグループ「平成絶対領域委員会」のメンバーを中心に話が展開されていきます。毎回メンバーの一人ないし二人にスポットが当てられてますが、それ以外のメンバーは一瞬登場したり全く登場しなかったりしてあまりアイドルとしての活動の話は出てきません。
話の舞台はメンバーがアイドルになる前の子役時代の話だったり高校時代の話だったり、アイドルを卒業して大学での話だったりするので、どちらかというとオムニバスに近いかもしれません。
百合度も話によってまちまちですが、平均したらライト百合くらいではあると思います。
・きれいなあのこ
清純派として売り出されているが最近アイドルとしての進路を悩みがちな女の子と天然でキラキラしている女の子の話。
アイドルの子が天然清純な子のまぶしさに惹かれるってのがなかなか良くて途中までホクホクしてたけど話の展開がけっこう残酷でハッピーエンド大好き派の自分としてはウッってきたw女の子達にはずっと笑っていて欲しいよー。
別れのシーンもまさかここでも落とされるとは思わなかったw
角が立たないように他人に合わせたのにそのせいで他のところで角が立っちゃうことってあるよね。処世術ってほんとに難しい。
・ソプラノ・フォルテッシモ
歌はあんまり上手くないけどアイドルになるために日々努力している女の子と、両親が歌手で歌の才能にも恵まれた女の子の話。
紙から歌が聞こえてきた。二人が歌でつながるシーンめっちゃよかった!目の敵にして嫉妬もして、でも歌の才能は認めていて・・・でこのデュエットですよ。
これからこの二人が一緒に高め合う親友になるのかと思うと胸が熱くなる。
描き下ろしもよかった!こうやって大人になっても歌で繋がり合うっていいなぁ。愛とは違う繋がりだけどこれはこれでいい。
・ロリータコンプレックス
同じドラマに出演することになった大人になりたい女の子と、子供っぽいけど高身長で愛想のいい女の子の話。
身長差百合いいぞ~。この抱きしめやすさよ。
自分の気に食わない相手に勝手にレッテルを貼ってけなして、でもそれが自分の思い込みだってわかって恥ずかしくなって自己嫌悪ってわかる。イライラしてるときとかやりがち。結局全部自分に返ってくるってわかっててもね。
この漫画の負の感情は妙なリアル感があります。生々しく傷つけ合う女の子を描くのが上手ですよね。
・ミニスカートよさようなら
ツリ目・ツンデレ・ツインテで俺キャラな女の子マユとアイドルに命をかける天使キャラな女の子ミユの話。
一番好きな話。読み終わって唸った。百合度でいったら一番高いかも知れないです。
グループ解散の話を聞いて飛び出して行ったミユを駅のホームで必死に説得するシーン。このシーン大好き。百合営業しながら実は不仲なのでは?と疑われながら、でも本当はやっぱり百合っていいよね!
電車待ってるだけって言ってたけど止められなかったら飛び込んでたんじゃないかな。
ツンデレの名に恥じない告白。この後ミユが口が~←こんな感じでへにゅってなってるのかわいすぎる。どっちも照れるとかかわいすぎる!
このあとの展開がすごすぎて、あまりのドラマチックかつロマンチックさにもう百合っていうか童話みたいだと思った。
・シャンデリア・ダイヤモンド・スターダスト
平成絶対領域委員会を卒業した元メンバーが大学で元ファンの子と付き合う話。
この話もすごい好き。一番百合らしい話じゃないかな。
同棲こそ大学生百合の強み!最後もハッピーエンドで眼福眼福。
というわけで『きれいなあのこ』でした!話がドラマチックで読んでてドキドキしました!一ページで展開が急降下したり急上昇したりしてとにかく見開きの使い方がお見事!
吉田丸悠先生には是非また百合の話を描いて頂きたいです!現実感のある話を作るのが上手なのでOL百合とかぴったりだと思うのですがどうでしょう。百合姫さんお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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