続きまして二回目の記事はこれです!
百合姫コミックスの片倉アコ先生の『明日の君に花束を』です!
この本は短編集なのですが、表紙の話となっている『リリー・マルガリーテとかすみ草』、『ジプソフィラの儚い思惑』を紹介したいと思います。
なんとこの話、友達のお母さんに恋してしまうという話です。
もうね、この設定を知った瞬間に即買いでした。なんちゅうもんを作ってくれたんや・・・。
メインキャラクターの里見千歳、いつもどこか諦めたような表情をした大人のお母さん。
千歳さんの娘、雪子。
そして雪子の幼馴染、小百合。
小さいころから千歳さんが好きだった模様
高校の部活の仮入部で雪子は小百合に再開し友達と共に雪子の家へ連れていきます。
そして小百合は千歳さんと再会。
再会してすぐに思いを伝える小百合。若いってすごいよなぁ。
千歳さんの重ねた年と小百合の若さがこの話のキーワードとなってきます。
動揺してはいるもののこの落ち着きようはさすがお母さんというべきか。
まぁそりゃあそうですよね。同性、歳の差、さらに自分には夫も子もいるというタブーにタブーを重ねまくってるんですから。いいわね付き合いましょうなんてなるわけがない。
乗ってしまったら最後、この先お互いが幸せになる未来などあり得ないですから。自分はまだしも夫や娘、そして小百合の未来までも破滅しかねません。
主婦として買い物に来ただけだしと自分に言い聞かせながらつい小百合のバイト先のスーパーに来てしまった千歳さん。
若い小百合がまぶしすぎて一目見ただけで帰ってしまう。そして この小百合の一途さよ。
その後押しかけてきた小百合に再び好きだと言われる。
どうしてじゃないでしょ!この確信犯め!
あ~!ずるい!ずるいずるいずるい!
自分は一歩下がっておいて相手に踏み込ませ、なおかつ自分は大人としていつでも引ける態勢を作っておくなんて・・・これが人妻・・・!
それでも小百合が突っ込んでくること知っててこういうことする大人の狡さがとてもいい・・・!
この話って初めて読んだときは天才かよ!と思いましたが、小百合を男の子にして考えるとあら不思議途端に高校生と人妻という鉄板ものの設定になりますね!(主にAVやエロい本)
そんなありふれた設定でも百合にするとこんなに奥深く味わい深い話になってしまうのだから百合ってすごいと思わされます。
『ジプソフィラの儚い思惑』はこの関係を雪子から見た話となっています。
自分の母を好きになった友人を引くどころか応援する雪子。小百合の一方的な思いになかなか答えようとしない母にいら立つ。
何ちゅういい子や・・・。こっちも若い。
決してこの話はハッピーエンドではないですし、二人で険しい壁を乗り越えていくといった終わり方でもありません。
この関係はいつか終わってしまいどちらも傷つく結果になるのは目に見えています。
でもこれこそが学生百合ともOL百合などとも違う独自の良さであると思います。
何度も読んでしまうような魅力のある話です。
他にもこの本には魅力的な話がたくさんあります!個人的には夜になると上下関係が入れ替わるOLの話とかなかなかグッときました!
気になったら是非読んでみてください!
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