チラリと見える百合の瞬間火力!
田仲みのる先生の『ロケット☆ガール -Rock it, GiRL!!-』です。百合姫コミックスで全二巻です。
自分は百合姫本誌は読んでないのですが、ニコニコ動画で読めるニコニコ百合姫を読んでいた時にビビッときたのを覚えています。地味子とヤンキーっぽい子の組み合わせいいじゃん。いいじゃん!
以下ネタバレ注意。
・だいたいのあらすじ
「ヘタクソ」
初めて声楽に言われた言葉は罵倒の言葉だった。
鈴原奏、18歳。工場勤務でお金は無し。引っ込み思案。臆病。服装、ダサい。
一緒に二人暮らしをしていた祖父の影響で6歳の頃からギターを始めていた奏はときどき路上で弾き語りをして、自分の曲を歌う。
そしてある日奏の前に現れた金髪の少女声楽。彼女は「ヘタクソ」と一言残すと立ち去ってしまった。初めて面と向かった暴言を吐かれ苛立つ奏の前に、今度は見るからに怪しい美少女マギーが現れる。
何がなんだかわからぬままマギーについていく奏。そして着いたのは芸能事務所。
なんとマギーは奏をスカウトしに来たのだ。
そしてそこに現れたのは先ほどの金髪少女声楽。マギー曰く、鈴原君の声はクソ。なのでバンドを組んで奏をCDデビューさせるというのだ。ちなみにメンバーももう用意してあるという。ボーカルは声楽。
しかし奏にはバンドを組むことに対して過去のトラウマを抱えていた。第一自分の歌を他人が自分より上手く歌えるはずがない。特にこんな無神経なやつなんかに。
できないという奏に対して声楽は「いいから聴けよまず」と、その場で奏の曲を歌う。
声楽の歌声に奏は全てが吹き飛ぶほどの衝撃を受けるのだった。
こうして働いていた工場も無事解雇され、ヒッピーみたいなドラムの春子、日本人形みたいなベースの桂がメンバーに加わり、バンドとしての活動が始まる。
しかし他人と演奏すると過去のトラウマがよみがえってしまいどうしても上手く弾けなくなってしまう奏。それに声楽との相性も最悪でいつも暴言を吐かれるばかりで、お世辞にも順調なスタートとは言えない。
そんな奏達についにチャンスが訪れる。食中毒で倒れたバンドの代わりとして急遽ライブに出ることになったのだ。そもそもライブハウスすら行ったことのない奏にとって、バンドとしてライブを行うなど全く未知の世界である。当然緊張しまくる奏。
結果としては悪くはなかった。そもそも周りからは期待されてなかった中、観客を熱狂させステージを盛り上げることができた。
ただし奏は別だった。今までいろんな人に言われたことが頭の中をぐるぐる巡り、演奏中も深い思考の沼にズブズブ。当然ミスもしまくる。どうやってギターを弾けばいいのかもわからない。
そしてライブが終わった瞬間、限界に達していた奏は失踪した。
その後引きこもって亡霊のようになっていた奏はなんやかんや(省略)あって立ち直り、バンドも復活。ここから新しくバンドが始まるぜというところで一巻は終わり。
そして三年後。
渋谷のスクランブル交差点。巨大なテレビから流れるのは自分たちのPV。
声楽達のバンドはついに頂点に立っていた。
しかしバンドの仲は険悪を通り越して最悪。そしてなんと奏は脱退を宣言。
二巻では三年の間に起った奏と声楽のすれ違い、声楽の過去、メンバーの苦しみなどが語られていきます。
面白かった。話が気になって二巻とも一息で読んでしまった。
基本的に漫画は一巻だけ買って様子を見るんだけどこれは二巻まで買っておいてよかった!じゃなかったら一巻読んでモヤモヤしてたと思うw
この漫画は連載雑誌が百合姫だということを考えると百合成分は少なめで、バンドとしてのストーリー展開がメイン。男キャラが一人も出てこないのにも関わらず、です。もはやこれただのバンド漫画では?と最初読んでて思った。まぁその辺はあとで。
いやーびっくりしたよね。一巻が終わってさぁここからのし上がるぞ!と思ったらもう既にトップに立ってるんだもん。そして脱退。あれ?一巻分飛ばしちゃったかな?と思ったw
もうシリアスすぎて百合とか言ってる場合じゃなかったね。
奏と声楽がすれ違ってくのを見るのは辛かった。声楽ちゃん不器用だからなー。ツンが強すぎて二人の溝が埋められないよね。それをわかってて声楽が人知れず泣いてるのもつらい。
これだけ険悪になっても声楽は奏の曲を歌いたいと思っていて、奏は声楽のために曲を書いてるのが切ないね。いやむしろこれだけお互いを思っているのにすれ違ってくのが悲しいのか。そしてお互いの溝が深まるほど曲は売れていくというジレンマ。やりきれないなぁ。
・でもやっぱり百合姫
確かに百合分は少なめと書きました。でもそのチラッと見える百合分がすごーくいいんです!破壊力高し!
声楽はツンデレの中でも高純度のツンデレで、お酒で例えるならスピリタスくらいの割合。
口を開けば暴言の嵐。そして叩く、蹴る!
でも稀にチラっと奏だけに見せるデレの破壊力よ。いつも攻めてばかりだから攻められると弱い。奏はどこか抜けてるところがあるから無意識のうちに攻めてるみたいなところありそう。
車の中で二人一緒に毛布にくるまって朝まで話してるシーンとかめっちゃよかった。目をキラッキラさせて語る声楽とめっちゃ眠そうな奏。奏の曲がウケてそうとう嬉しかったのかね。
最後の話も超良かった!二巻は全体的に暗めだったけどそういうのも全部吹き飛ばす終わり方でよかった。やっぱりハッピーエンドが好きです自分は。
これから先またぶつかり合うこともあるだろうけど二人とも末永くお幸せに!って応援したくなる二人でした。この二人は付き合うとかはしないと思うけど二人とも独身で過ごしそう。声楽はモテるけど奏が好きだから結婚とかしなさそうで、奏は基本喪女だから男に縁がなくて独身で過ごしそう。別に付き合うことだけが百合のゴールではないですからね。これも一つのゴール(適当)。
というわけで『ロケット☆ガール -Rock it, GiRL!!-』でした!
二巻はちょっと駆け足だったかな?と思います。元々最低2.5巻必要な内容を二巻にまとめた感じ。それならもうちょっと付け足して三巻分にして欲しかったなー、もっと二人の話見たかったし。まぁでもほんとに最後の話がとてもよかったので満足満足ということで。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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