ハナとヒナ、二人だけの小さな秘密
双葉社から出版されている森永みるく先生の『ハナとヒナは放課後』です。
『GIRL FRIENDS』を描かれた森永みるく先生ですので、そんなのもう最高に決まってるじゃないですか。
以下紹介です。
・だいたいのあらすじ
お金を貯めて、あるものを買うために、ファンシーショップでアルバイトをしている高校一年のハナ。
そこへいつもグッズを買いに来ているギャル、ヒナが新しいアルバイトとして入ってくることに。
ハナの予想とは違い、ヒナは物覚えもよく、しっかりと仕事をこなし、尚且つ店のグッズについてめちゃめちゃ詳しいのだった。
しかし自分とは違うタイプの女の子にどこか親しみにくさを覚え、どうしても距離感が空いてしまうハナ。
そんな中、商店街のお祭りにファンシーショップが出店することになり、ハナとヒナは店番をすることに。
だがこれはハナには少しマズイ事態になる。
実はハナの高校ではアルバイトは禁止されているのだ。
バイトがばれて退学になった人もいるとかいないとか。
ファンシーショップは地元の小さな商店街にあるのでバレないだろうと高を括っていたが、お祭りで出店を出すとなれば話は別である。
同じ学校の人に見られようものなら噂が広まってしまうのは間違いない。
そして当日、不安げなハナにヒナはあるものを手渡す。
それは店でも売っているポコたんという狸のキャラクターの限定大正女学生バージョンのコスプレだった(どうみても私物)。
これをハナが着れば、自分がハナだとバレることはないだろう。
結果、このコスプレは店の宣伝にもなり、店は大繁盛、さらに二人の距離感もなくなりお互いにため口で話す仲に。
こうしてヒナと仲良くなったハナは、これからもアルバイトの仲間として上手くやっていけそうだと嬉しくなる。
そして四月、新入生として新たに入ってきた一年生の中に見覚えのある女の子が。
なんと高校三年くらいだと思っていたヒナは実は中学三年生で、今年から新しくハナの学校に一年生として入学してきたのだ。
だがヒナとハナは同じバイト先という関係なので二人が学校で仲良くしては、周りに疑われ、アルバイトのことも広まってしまうかもしれない。
こうして二人の秘密のアルバイト生活が始まったのだった。
・王道の良さ
言ってしまえばただのオーソドックスな女子高生百合で奇抜な設定ってわけでもないし、目まぐるしい急展開もありません(今のところですが)。
二人にはただちょっとした秘密があるだけなんです。
放課後にこっそり同じ店でアルバイトをしている、っていう些細な秘密なのです。
二人だけの小さな秘密が、他の人とはない小さな繋がりを生み、その繋がりの中で、ある小さな気持ちが生まれ、その気持ちが少しずつ大きくなり、というこれぞ王道という要素がじっくりと、そして余すことなくこの漫画では描かれています。
それがたまらなくたまらない!
緻密で丁寧な展開と心理描写がこうも心を動かすとはッ!
王道ってどのジャンルでも一番難しいテーマだと思うんですけど、その王道をこうやってしっかり描けるのは森永みるく先生の技量のすごさであり、さすがとしか言いようがないです。
読モであり、カワイイの最前線に立つヒナちゃんが、ポンポコリン(褒め言葉)のハナちゃんにメロメロという構図がとても良い!
ハナちゃんはほんとポンポコリン(褒め言葉)なんですよ。
昔ながらのブルマとか履いちゃうとこんなんなっちゃうし(褒め言葉)。
これにはヒナちゃんもニッコリ。 いや似合いすぎかよ。
マスコットキャラ好きなヒナちゃんに取ってハナちゃんは直球どストレート、ハナちゃんにとってはヒナちゃんは高嶺の花な可愛さ。まぁ可愛いにもいろいろあるよねー。
こーいうの!こーいう、ちょっと見ちゃうとかちょっと話しかけちゃうとかちょっと嬉しいっていうお互いがお互いをちょっと気になっちゃうみたいな仕草可愛すぎない?
こうやって無意識のうちにちょっとずつ心が揺れてく様子が、ほんとに悶えるほど素晴らしいのです。
ヒナちゃんが退学になるかもと聞いて集まった野次馬の中にハナちゃんの姿を見つけ嬉しくなるヒナちゃん。
この、なんか嬉しいっていう表情!
なんかって曖昧な表現だけどその曖昧さが奥ゆかしくていいと思うのですよ。
あとポンポコリン(褒め言葉)で仕事中もおっちょこちょいなハナちゃんだけど、ヒナちゃんに対してはちゃんと先輩してるところとかすごい萌える。
年上の気遣いっていうの?
体育祭の二人三脚の時とか完全に先輩モードだったよね。
無理しすぎた後輩を気遣う優しいハナちゃん。
パッと見、ヒナちゃんの方がお姉さんしてそうな組み合わせだけど、そこはしっかりとハナちゃんがリードして支えるっていうのがたまらない!
というわけで『ハナとヒナは放課後』の紹介でした!
読んでると改めて百合はいいなと思わされるような百合のエッセンスがたくさん詰まっている作品です!そのうち二巻についても書きたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらポチっとお願いします!