六年かけて紡がれた姉妹百合、ついに大団円【citrus 10巻】

六年かけて紡がれた姉妹百合、ついに大団円【citrus 10巻】

citrus (10) 特装版 (百合姫コミックス)

サブロウタ先生の『citrus』もついにこの10巻で完結です。

多分日本一遅い感想。

最終巻読む前に既刊を読み直したいと思ってましたが、まとまった時間が取れずだいぶ遅れてしまいました。

せっかく6年の集大成なんだから既刊をおさらいして、思いっきり助走つけた状態でこの巻を読み始めたかった。

 

9巻を初見で読んだときはゆずがかわいそうという感想が強かったのですが、読み直してみると芽衣の置かれた立場が理解できてきて、改めて辛い思いになりました。

あと読み返して思いましたが、何回読んでもおもしろいですね。展開も全部知ってるんだけどそれでも尚ワクワクするのでやっぱりこの漫画好きなんだな~~~と感じました。

 

以下感想ネタバレ(ゴリゴリにあるので注意)

 

勉強中のはるみんの前にふらりと現れたまつり。

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柚子の件に加え、親しいと思っていたカフェの店長が何も言わずに店を畳んでしまったことに落ち込む。

悩み相談をたくさん受けてそうなまつり。 心を開いてもらうことに慣れている彼女にとって何も相談がなかったのは地味に傷つくんだろう。

 

柚子の件について事情が気になるまつりに対しはるみんは「別に」と即答。

気にならないわけないんだよなぁ。

一巻の最初から登場しているのに、この10巻まで来て何も事情を聞かされてないって異常事態だと思う。 毎回これだけ大騒ぎして何も感づかないというのはさすがに無理がある。

しかしはるみんから一向に事情を聞こうとしないのは、大事なことは直接柚子から話してくれるだろうという強い信頼があるからこそ。

寧音、ここに最高のはるゆずがあるぞ。

 

 

芽衣が居なくなり一人の生活に戻った柚子の元へ、ニナとサラが訪れる。

芽衣のことを聞かれるものの、二人に迷惑をかけまいとごまかし続ける柚子。

その辛そうな顔を見たニナは彼女が前へ進めるようにと優しく声をかける。

そして柚子は芽衣が家の事情で出て行ってしまったこと、芽衣が好きであるためにそれを受け入れるしかない今の現状を涙ながらに打ち明けるのだった。

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これまでで一番辛い表情だなぁ。

これまで行動でなんとかしてきた柚子が、何もできない悔しさ。 それもこれも全て芽衣のためを思っているからこそ動けない辛さ。

 

芽衣の「本当は求めてはいけないんだ」って台詞から修学旅行の時点で既にだいぶ婚約の話が進んでいたことがわかる。

そして7巻でのあの「足りない」のセリフ。 婚約の話が進み心を自制していても柚子を求めてしまうほど心が傾いていた。 その思いを断ち切るのに一体どれだけの苦痛が伴っただろうか。

 

 

サラに話を聞いてもらったことで吹っ切れた様子の柚子は意を決してママに今までのことを打ち明ける。

二人の家族でありながら今まで本筋にはあまり関わってこなかった柚子ママ。

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しかし、いざという時に第一に柚子を支えてあげる言葉をかけられるのはさすが。 このママの支えがあるからこそ柚子の強い行動力が育ったように感じる。

パパもパパで柚子から話を聞いた時に、二人の関係について何も言わず真っ先に彼女の意思を尊重したところは伊達に広い世界を見てきてないな~と思った。 藍原家に縛られた昔のパパでは絶対にできなかった行動ですね。

 

「あたしと芽衣がケッコンするってなったら そんときはヨロシクね!」

これこそ柚子。

 

パパにもママにも打ち明けたらもうあとはずっと柚子を待っているあの子のところへ行くのみ。

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「興味ないとか言っておいて やっぱり柚子ちゃんなんじゃん・・・」

そりゃそうよ。 なんたって一番の親友だからな。

 

 

家を継ぐという芽衣の意志を尊重しながら、二人が結ばれるような解決策を探すために作戦会議をしていた柚子たちの元に、芽衣が明日にも学校からいなくなってしまうかもしれないという知らせが入る。

もはや考えている時間はない。

しらぽん先輩、はるみ姉、まつりの協力を得て芽衣と許婚の話し合いの場へと乗り込む柚子。

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芽衣には定められた許婚がいる、祖父は芽衣を結婚させて跡を継がせたく芽衣にも学園を継ぐ意思があるといった数々の問題をどう解決するのか→行動で一点突破。

やはりというか案の定って感じだったwww

解決方法はちょっと気になるところではあったけど、こっちのやり方が柚子らしいと思います。

朝礼で無理やり壇上に上がり男教師を糾弾したときの柚子のままで安心した。 柚子はそういう女の子だった。

彼女は策略を練るよりも全力で走る姿が良く似合う。

 

芽衣が柚子の元を出ていってから久しぶりに言葉を交わした二人。

柚子が今この場にいられるのもここまで連れてきてくれたみんなの協力があってこそ。

周りの人々の支えに気づいた柚子は二人だけでなくみんなで幸せになりたいと言う。

 

「・・・芽衣は あたしのこと 嫌いになっちゃったの・・・?」

「だい・・・嫌いよ・・・」

決死の思いで柚子から離れる努力をしてきたが、芽衣の心から柚子が消えることは無かった。 泣きながら訴える芽衣の胸には柚子から貰った指輪が。

柚子が芽衣のことを考えない日がなかったように、芽衣もまたずっと柚子のことを想っていたのだった。

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大 団 円。 めでてぇ~~~~~~!!!!!

真面目系ビッチ、清楚ギャルという見た目も中身も異色な組み合わせで最初はどうなることかと思ったけど、立ちふさがる数々の壁を愛の力で乗り越え(ぶち壊し?)こうやって理想のゴールにたどり着いたこと。 長い間この二人の恋の行方を見守り続けてきた者として、言葉にできないほどの幸せを感じる。

この素晴らしい物語を追ってきてよかった。

芽衣のツンの固さときたら・・・。

「好きよ・・・」

芽衣にこのセリフを言わせるのに五年以上かかってるから!!!!!! 難攻不落すぎる。

柚子の一途さと行動力がないと芽衣は絶対変われなかっただろうな~。

芽衣は柚子じゃないと、柚子は芽衣じゃないといけないという相手を特別だと思う気持ちがひしひし伝わる物語だった。

あと長い連載の中で柚子はたくさんのキャラクターと出会ってきましたが、最後にその仲間たちが柚子を支えて芽衣のところまで持ってく展開は熱いよね~~やっぱね~~。

 

終わり方だけど、問題が解決してめでたしめでたしで即終わってしまい、せっかくくっついたのにその後の話は????ってなるところだったけど、なんとスピンオフとして『citrus plus』が連載されるそうで。

いや、マジで助かる。

citrusのような連載期間が長くもはや定期的に買うことが生活の一部みたいになってる作品が後日談なしにプツっと終わってしまうともうとてもとても苦しいので。 禁断症状が出るから。

後日談は単行本一冊分書いてくれ!!!!!とか言おうと思ってたらなんかほんとに実現しそうでとりあえず嬉しい限りです。

 

あと自分はいつも通り特装版を買ったんだけど、特典の小冊子がマジクソ良くてこれ通常版についてこないのはさすがにかわいそうじゃない?と思った。

今までの特典の内容はあんまり本編には関係ない内容でcitrusファンならどうぞって感じだったけど今回の後日談は特典じゃなくて単行本に載せた方が良かったのでは・・・。 これ読めないファンはさすがに可哀そうすぎる。

今までB6判の通常版集めてきたのに最後だけA5判買うのも・・・ねぇ?

 

というわけで『citrus』10巻でした!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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